第二章 風のアルビオン
幕間 炎の中の子供
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んな方法があるなんてねっ!」
「ああっ! 船はここらを飛ばないからねっ! 危険だが確実だよっ!」
「ふふっ、ミスっ! あなた口調変わってない!? そっちのほうが素敵よ!」
「ハッ! 気にしないでおくれ! それより雲を抜けるよっ!」
ロングビルがそう言った瞬間、シルフィードは雲を抜け出す。
雲を抜けた瞬間、ちょうど朝日が昇った瞬間と重なり、ロングビルたちは目を細めた。
……アルビオンか……。
ロングビルは朝日に照らされたアルビオンを、様々な感情が入り混じった複雑な視線を、その細めた目で向けていると、それを遮るかのようにギーシュが素っ頓狂な声を上げた。
「? っ!? ちょっ! ちょっと見たまえ! あそこあそこ!」
「何よ、……っ!」
「“レコン・キスタ”」
「これは、やばいね……」
ギーシュが指差す方向に顔を向けたロングビルたちは、朝日に照らされるアルビオンを見下ろすかのように浮かぶ“レコン・キスタ”の軍勢を見付ける。
今にも砲撃が開始されるかのような雰囲気にロングビルたちは息を飲んだ。
「……これは、時間が無いみたいね」
キュルケが冷や汗を流しながら呟くと、ロングビルは『レコン・キスタ』の軍勢に囲まれているニューカッスル城の下付近を指差し、タバサに振り向く。
「あそこに行ってくれますか、穴がありますからそこに入ってください」
「わかった」
「それで、無事にアルビオンに着くことはできたけどこれからどうする?」
「どうするって……いつ“レコン・キスタ”が攻めてくるか分からない今、城に入るのは危険だと思うんだけど?」
「そうね……でも、まずは士郎たちと接触しないと始まらないと思うんだけど」
「……すぅすぅ……」
「……タバサ、起きな……まぁいいか……」
キュルケたちがああでもないこうでもないと言い合っていると、厳しい顔をしたロングビルが話に割り込んでくる。
「あなたたちはここで待っていてください。シロウたちを探しているのなら、私が探してきますので」
「そんなっ、ミス・ロングビルにこれ以上のことは……それに」
「あなたたちと違って私はニューカッスル城のことはよく知っています、ばらばらに探すより、私一人のほうが効率がいいですから」
「ミス……」
「そういえば、どうしてミス・ロングビルはニューカッスル城のことを知っているんだい? それにこの場所も……」
キュルケとロングビルが話していると、その脇からギーシュが疑問の声を差し込む。
その疑問に対し、ロングビルは唇に指を当て、蠱惑的な笑みを浮かべる。
「ふふっ秘密です。イイ女には秘密がつきものですからね。私があなたたちの事情を聞かない変わりに、あなたたちも私のことを聞
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