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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
第一層攻略会議
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らいたいことがある」
そこでキバオウと名乗ったその男は振り向き、チンピラのような目でプレイヤー全員をねめつけた。
「こん中に、今まで死んでいった二千人に詫びなアカン奴がおるはずや!」
そしてキバオウは誰ともなしにプレイヤー達に指を差す。
そんなキバオウにディアベルが戸惑い気味に声をかける。
「キバオウさん。君の言う奴らとはつまり、元
β
(
ベータ
)
テスターの人達のこと、かな?」
「決まってるやないか!ベータ上がりどもは、こんクソゲームが始まったその日に、
初心者
(
ビギナー
)
を見捨てて消えよった。奴らは旨い狩場やらボロいクエストを独り占めして、自分だけポンポン強なって、その後もずぅーっと知らんぷりや。」
ここでキバオウは一際プレイヤー全員を睨み付けて言った。
「こん中にもおるはずやで!ベータ上がりの奴らが!そいつらに土下座さして、溜め込んだ金やアイテムを吐き出して貰わなパーティーメンバーとして命は預けられんし、預かれん!!」
自信満々に言ったキバオウに、隣のキリトが辛そうな顔をする。
そんな時──
「発言いいか?」
低音の渋い声が言った。
その声とともに席を立ったのは、百八十センチはある体躯を簡素な鎧に包んだ禿頭の黒人プレイヤーだった。
その黒人プレイヤーはキバオウの元に行くと
「俺の名前はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり元ベータテスターが面倒を見なかったからビギナーがたくさん死んだ。その責任を取って、謝罪、賠償しろ、ということなんだろ?」
見た目に無駄な迫力があるからか、キバオウは少しどもりながらも答える。
「そ、そうや。」
その返事を聞き、エギルと名乗ったその黒人プレイヤーは懐から、薄っぺらい手帳のようなものを出す。
「このガイドブック、あんたも貰っただろ。道具屋で無料配布してるからな」
「貰たで、それが何や!」
「配布していたのは、元ベータテスター達だ」
噛みつくように言うキバオウに、淡々と答えるエギルの言葉にプレイヤー達にざわめきが広がる。
ここで、エギルはざわついているプレイヤー達に振り向き、言う。
「いいか、情報はいつでも手に入れられたんだ。なのにたくさんのプレイヤーが死んだ。その失敗を踏まえて、俺達はどうボスに挑むべきなのか、それをこの場で論議されると俺は思っていたんだがな」
皮肉たっぷりに言ったエギルは、キバオウの方に振り返る。キバオウは相当不満げながらも、何も言わず手近な席に座る。
エギルも元いた席に戻ると、思い出したようにディアベルが喋り始める。
「よし!じゃあ再開していいかな?」
そう言って腰のポーチから、先程エギルが取り出したのと同じような本を取り出す
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