第八十六話
[8]前話 [2]次話
第八十六話 鳴らすものは
亜美はアルテミスとセレニティ、蝙蝠とムササビである彼女達に尋ねた。魔女は困った時の相談役としても使い魔を持っているのだ。その尋ねたこととは。
「うちに合う楽器って何やろ」
「ご主人様にですか」
「合う楽器ですか」
「うん、何やろ」
自分の部屋で自分の机に座りながら彼女達に尋ねる。
「何かないやろか」
「ううん、難しいですね」
「はじめての質問ですので」
二匹は主の問いに困った顔で返した。
「ご主人様に合う楽器といいますと」
「具体的には」
「ええのないやろか」
こう言う亜美だった。
「ほんまに」
「鳴らすものはどうでしょうか」
アルテミスは考えた末にこう提案した。
「それは」
「鳴らすもの?」
「はい、マラカスやタンバリン等は」
「それなあ、マラカスかいな」
「ラテン系のバンドで使いますが」
「そうやねんな」
「それでどうかと思うのですが」
自分の主に話していく。
「どうでしょうか」
「クラウンってサックスもあるけど普通のバンドやしな」
オーソドックスと言っていいのだ、フルートがあるにしても。
「マラカスはな、ちょっとな」
「そうですか」
「他何かないやろか」
「少し考えますね」
今度はセレニティが話す。
「タンバリンも普通のバンドでは使いませんし」
「かといってカスタネットもちゃうし」
カスタネットは亜美の方で なしにした。
「色々難しいわ」
「そうですね、確かに」
「鳴らすものはちゃうかな」
「ではどういったものにされますか?」
「一体」
二匹はここで考える顔で主に言った。
「鳴らすもの以外となりますと」
「他には」
「あるにはあるけど」
パーカッション、だがこれも。
「鳴らすやろ」
「しかし鳴らすなら鳴らすで」
「いいのでは」
「こだわらないってことね」
「ご主人様に合う楽器を選ばれれば」
「それでいいかと」
使い魔達はこうアドバイスする、亜美は彼女達のアドバイスを受けて実際にやってみることにした。その手で楽器を演奏してだ。
第八十六話 完
2013・12・3
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ