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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
宝貝の存在を忘れかけの宝貝使い苗の激闘記・14冊目
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てきたことに気付いた。
感情に任せて怒りや鬱憤をぶつけて、それで満たされるのは一度だけ。終わった後になって、自分の返り血で濡れた手が自分のやった事の醜さを否が応でも教えてくれる。それはまた繰り返してしまった、自己嫌悪と言う名の心の津波。
先ほど、私は間違いなく”考えてはいけない事”を考えた。後ほんの少しで、口から出るところまでに至った。
だが、こいつはそんな惨めな私を見て、邪気も嫌味もない喜色を浮かべていた。
『私は・・・お前の猫を殺すより以前にも、沢山の命を殺めた・・・魔法生物、地元原住民、あるいは星そのもの・・・主の為と思っていつでも命を貪り食ってきた・・・感情を認めるまでずっとずっとだ』
「ぅ・・・?」
それはまるで懺悔のようだった。―――違う。謝るべきなのは私の方じゃないのか。そう思っても、声が出ない。
『主に存在を認められ、感情を得た時のことを・・・死に際の事を覚えている。あの時私は歓喜を感じると共に・・・・・・果てしない苦痛を感じたのだ。私が単なるプログラムでなくなることは、同時に私は決してして赦されることのない罪に一生さいまれることだと、そう思ったんだ。だから、闇の書の意思は死を選んだ』
「やめて―――やめて。私のやった行為を美化しないで。受け入れないで。お前は卑怯で自分勝手だと怒ってよ。私は、そんな言葉を言われたくて殴ったんじゃないよ・・・!」
言葉の一つ一つが、訳も分からぬ自分の心を締め付けた。これだけのことをしてなお私に笑顔で語りかけてくるこいつを見てると、私は何所までも惨めな姿を晒していることを自覚させられた。
『私が殺めた人間の家族が石を投げたら、甘んじて受け入れる。それが私の罪なのだから。でも、形ある敵意や悪意をぶつけられるのは同時に本人に償いの実感を与えるものでもある、と私は思う。誰にも罪を弾劾されずにいる事は、自分の犯した許されざる罪を償うことも出来ずにのうのうと生きる背徳感と罪悪感に蝕まれること。他に何をやっても実感を得ることの出来ないそれは―――怒られ、憎まれ、殴られるよりもずっと辛くて恐ろしい』
そう言った闇の書は、右手で苗の頬を撫でた。皮肉にも、彼女の言葉は苗の心の苦しみを、的確に表していた。
闇の書はなぞる様に苗の頬を撫で、おもむろに力いっぱい抓った。ぎゅー、と引っ張られる頬が伸びるが、苗は悲鳴をあげない。その行為の意味を察してしまったからだ。
「なぐ・・・られた・・・仕返し、だ」
「・・・私、貴方が大っ嫌い。自分勝手だし全然リインに似てないし、仕返しなんて言ってるのに・・・全然怒ってないじゃない」
「事実、怒って・・・いな・・・・・・・・・?あの、苗。私の腕に巻きついてたうねうねは何所に?」
「え?最後のパンチをぶちかました時に取れて海に散ったけ
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