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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
宝貝の存在を忘れかけの宝貝使い苗の激闘記・14冊目
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っていた。すずかとアリサは無事安全圏へと避難できただろうか?クロエは倒れていないだろうか?クロエを庇ったシャマルは無事だろうか?渦巻く不安はしかし、マリアンの一言で何とか抑えた。
「なのは、緊急時には目前の問題を片づけることがイコール事態の前進に繋がるわ」
凛々しい顔でそっと肩に手を置いたマリアンはそう言った。管理局の魔導師で、自分とそこまで変わらない年齢なのに落ち着き払っているマリアンはなのはにとっての憧れとも言える。頭脳、実力、魅力、実戦経験。なのはの持たない全てを持っている。そんな人が共に戦ってくれる安心感が今は心地よかった。
それを横目で見たヴィータは、微笑ましいものを見る様ににやけた。
「・・・ふーん。こっちのお前は先輩に恵まれたな。大事にしろよ?」
「え?う、うん!マリアンさんはとってもいい先輩だよ!」
(きっと、こっちのなのはは”ああ”はならないだろ・・・)
世界が変わっても、その姿にはやはりもう真の意味で再会できない親友の姿がダブる。同じ結末を迎えないならば、それもまたヴィータの望みであり幸せだ。
「ねえ、ヴィータちゃん。貴方やっぱり私の事知ってる?」
「へっ、さぁどーだかな?」
「無駄話をしている暇はない・・・来るぞ!!」
コメットブレイカーが命中した爆心地にもうもうと上がる火煙を突き破るように黒い影が飛翔する。
そこには―――先ほどよりも更に触手が体を侵食した闇の書がいた。
その顔は憤怒とも歓喜とも知れない歪な形に引き攣られ、先ほどまで辛うじて感じられた知性が消滅しかけていることを感じざるを得なかった。
ラグネルを構えたシグナムがその場の全員に告げる。
「全員聞け。もしアレの理性が完全に失われたら、最早この町はそれ自体が持たなくなる。浸食の果てに現れるであろう『ナハトヴァール』の破壊は今の我々では止める事叶わず、だ」
「そんな・・・あれ以上強くなるって言うんですか!?」
『有り得ない・・・!!』
外で結界を維持していたユーノが悲鳴染みた声を上げる。元々全盛期の魔力まで回復しきっていないユーノではマリアンの負担を和らげるだけで精いっぱいだ。にも拘らず、それでも現状では戦力が足りないという。
「一応私の同僚がここに急行してる筈なんだけど・・・さては他の連中に邪魔されてるのかしら?全く忌まわしい・・・」
「ロストロギアの力で戦えているシグナムはともかく、アタシはちょっと魔力が心元ねぇ。ザフィーラはまだいけるとして、なのはは?」
「私もまだいける、けど・・・」
「・・・町に死人を出さないためには、アレを海でも荒れ地でも、周囲に誰もいない環境に引き込む必要がある。本来ならシャマルかユーノの転移魔法でそこまで飛ばす手筈だったが・・・最早力づくで
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