第136話
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見の良い委員長役で、愛穂がいつも遅刻ばかりする問題児役、麻生がそれらの騒動に巻き込まれる不幸な生徒だろう。
桔梗はさらにリビングから繋がっているキッチンの方へ目をやる。
「その癖が抜けてないって事は、台所の方の癖も相変わらずみたいからしら。」
「それに関しては修行中と言っておくじゃん。」
一方通行と打ち止めは二人の会話が気になったのか、桔梗に続いて、キッチンに入る。
『実験の協力』という名目の通り、愛穂自宅のキッチンには様々な調理器具が並んでいた。
水蒸気を利用したスチーム電子レンジや、AI搭載の高周波式全自動食器洗い機などなど、何だかメカメカしいものばかり集結している。
それらを押し退けて一際目立つ物があった。
四台五台とゴロゴロ置いてある電子炊飯器だ。
シューシューと湯気が出ている電子炊飯器が二台、後は稼働していないようだ。
「何だ、このフザけた数は?」
「これもある意味、悪い癖だな。」
麻生が呆れたような表情を浮かべながら説明する。
「こいつはな、電子炊飯器で料理する奴なんだよ。
何でも、炊く、煮る、蒸す、焼くのほとんどができる万能調理器具らしい。」
「・・・・・・」
麻生の説明を聞いて、言葉が出ない一方通行。
「でも、稼働しているのが二台だけなのね。」
「これじゃあ色々不味いと思ってな。
俺が手料理というのを教えているんだ。
今じゃあ、電子炊飯器を二台までしか使わせないまでに至った。」
「大変だったでしょうね。」
「死ぬほど面倒くさかった。」
二人には何か思うと所があったのか、うんうんと頷き合っている。
麻生は近くにある黒いエプロンを自分に撒き付けながら言う。
「と、こんな話をしていたらご飯が食えなくなる。
今日は俺がご飯を作るから、お前達は皿の準備でもしててくれ。」
「恭介の手料理、物凄く楽しみ!、ってミサカはミサカは大はしゃぎしてみる。」
「はいはい、下の階の人に迷惑だから止めましょうね。」
はしゃぐ打ち止めをあやしながらリビングに向かう桔梗と打ち止め(ラストオーダー)。
愛穂は何か納得のいかない表情を浮かべながら、その後について行き。
一方通行はこの馬鹿げた光景を見てため息を吐くのだった。
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