第136話
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クッション一つ一つまで丁寧に位置取りしてある。
打ち止めは目を丸くして言う。
「すごいすごい、ほこりもほとんどないかも、ってミサカはミサカはソファの上に飛び込みながら褒めてみたり。」
柔らかいソファに沈む打ち止めの明るい声に反して、桔梗は呆れたように息を吐いて言う。
「貴女、また勤め先で始末書を書かされたのね。」
ギクリ、と愛穂のジャージ姿が大きく揺れた。
すると、隣に立っていた麻生が疲れたようなため息を吐く。
「あ、あはは。
何の事じゃーん?」
「昨日は徹夜で手伝わされた奴がここにいるのに、よくとぼけていられるな。」
ギクリ、と再び愛穂のジャージ姿が大きく揺れる。
麻生の言葉を聞いた桔梗は愛穂を厳しい視線を送る。
「どういう意味?、ってミサカはミサカはゴロゴロしながら首を傾げてみる。」
「彼女は昔っから問題が起きると部屋の整理整頓を始めるような人間だったというだけよ。
しかも後先考えずにとりあえず片付けまくる、後になって部屋の鍵が見つからないとかいう事態にもなるの。
さしずめ、恭介はそれに巻き込まれたって所でしょう。」
「その通り。
昨日、電話がかかってきて何事かと思い来てみれば、始末書を書くのを手伝ってくれって言いだしてな。
しかも、その後の整理整頓まで手伝わされて、愛穂が見つけやすいように整頓していたら朝になっていた。」
今日、麻生がとても眠たそうにしていたのはこれが原因である。
昨日の十一時頃の事である。
麻生の携帯に愛穂から電話があった。
内容は一刻を争う事が起こったとの事。
それだけを言って携帯を切られ、麻生は何か面倒事に巻き込まれたのではと思い、能力を使って愛穂のマンションに向かって高速で移動した。
セキュリティを能力で解除して、急いで駆け付けた。
そして、部屋に待っていていたのは机の上に大量の始末書とそれと睨めっこしている愛穂だった。
その光景を見て、麻生は全て把握し、大きな脱力感が襲った。
愛穂はどうやってここまで来たのかなどは気にせずに、こう言った。
「お願い!
明日までにこれを全部提出しないと駄目じゃん。
だから、手伝って!」
これまでにないくらい面倒くさそうな顔をするが、断れるわけがなく。
愛穂に向かい合うように机に座り、一枚一枚丁寧に始末書を書きあげていく。
さらに、部屋の整理整頓までし始め、それに手伝わされ気がつけば学校に向かう時間になっていた。
「全く、恭介に手伝わせちゃ駄目でしょう。
彼にだって私生活があるんだから。」
桔梗の言葉に愛穂は何も言い返せない。
この光景を見て、一方通行は思った。
学校で例えるなら、桔梗は面倒
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