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とある星の力を使いし者
第136話
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、ボストンバックを抱え直し入り口に向かう。
愛穂は出入り口のオートロックで使うのだろう、ラミネート加工のカードを取り出しつつ言った。

「さてさて、ちょっと遅めになるけどお昼も食べなくちゃいけないし、とっとと部屋に入るとしようじゃん。」

「愛穂、俺がいるんだからあんなやり方はさせないからな。」

麻生がそう言うと、愛穂はあはは、と苦笑いを浮かべるだけだった。

「あんなやり方ってどういうこと?、ってミサカはミサカは首を傾げて聞いてみる。」

「それは部屋に入ってからのお楽しみよ。」

桔梗は麻生の言葉を意味が分かっているのか、打ち止め(ラストオーダー)の頭を撫でながら言う。
マンションの出入り口は一見開放的なガラスの自動ドアだが、耐爆仕様になっているのが窺える。
カードを通すだけのロック機構も、実質的にはカードを握る指先から指紋や生体電気信号パターンなどのデータもやり取りしているようだ。
いわゆる高級マンションなのかもしれない、と思った一方通行(アクセラレータ)は胡散臭い目で愛穂を見る。

「公務員の給料ってのは削減する方向じゃなかったンかよ?」

「結構安月給でも何とかなるものじゃん。
 これも建築方面の実地試験を兼ねた『施設』だから、家賃のいくらかは大学側が出してるじゃんよ。
 代わりに、セキュリティの方式なんかがいきなり変更されたりもするんだけどね。」

それに、と愛穂は付け加える。

警備員(アンチスキル)って基本的にボランティアだから無給なんだけどさ、あっちこっちで案外善意のサービスしてくれたりするじゃんよ。
 スーパーのお肉は安くなったりとかね。」

「マンションの家賃と特売日が同じ扱いかよ。」

そんなこんなで、一方通行(アクセラレータ)打ち止め(ラストオーダー)、愛穂、桔梗、麻生の五人はマンションの中へと入る。
ちなみに小萌先生は別の用事があるとかで今はここにいない。
おそらくこれも試作品の一つだろう、低振動エレベーターに乗って浮遊感も覚えず一三階まで辿り着くと、すぐそこのドアが愛穂の部屋だった。

「どうぞー。」

と愛穂が玄関のドアを開けると、そこに待っているのは4LDK。
どう考えても家族向けで、なおかつ一生をかけてローンを払い続ける規模の部屋だ。
実験協力として大学側がある程度の額を免除しているとはいえ、本当に公務員の安月給で何とかなるのだろうか?
ピカピカに磨かれたフローリングのリビングは、一人暮らしというイメージに反して小奇麗に整えられていた。
お酒のビンやグラスなどが棚の中に飾られていて、雑誌や新聞なども専用のラックに収められている。
テレビ、エアコン、コンポ、録画デッキなどのリモコンはテーブルの角に並べて置いてあった。
ソファの上の
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