暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十九話:月夜に光る草原で
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ね。
 キレイな絵みたいで、絵なんかよりもずっとキレイか。
 うん、そんな感じ。

 絵だったらまたいつでも見られるけど、この光景が見られるのは今だけなのか。
 ルラムーン草を取りにくることはきっともう無いし、ヘンリーとだっていつまでも一緒にいるわけではないし。
 本当に、今、この時だけなのか。

 ……こんな時間は、もう二度と無いのか。


 そんなことを考えて、私もなんだかぼうっとしていたようで。


 気が付くと、目の前にヘンリーの顔がありました。

 ……あれ?
 なんか、……近い?

 っていうかまだ、近付いて……。
 あれ?あれ?

 ちょ、ちょっと??


 近付き過ぎてもう触れ合いそうになったところで、遠くから声がかかります。

「ドーラ様!かなりの数を採り申しましたが、如何でござりましょう?そろそろ、終わりにされては?」

 咄嗟に振り向いて、答えます。

「そうだね!!私も、二十個くらいは採ったから!!大丈夫だと思うけど、一旦集まろうか!!」

 誤魔化すように声を張り上げたら張りすぎたような気もするが、気にせずずんずんと歩き出します。

 ……なんか後ろで、盛大な溜め息が聞こえた気がするけど!
 ギリギリかすったような気もしないでも無いけど、気のせいだから!

 全部、気のせいだから!!



 そんなことを思いながらなおもずんずんと仲間たちのいるほうを目指して歩き、気のせいでは済まない顔の熱さが、月とルラムーン草の明かりくらいではわからないといいなあ、という希望も胸に抱きつつ。

 超重要アイテム、ルラムーン草の採集を、なんとか無事に終えました。
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