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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十九話:月夜に光る草原で
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?」
『あのね、ドーラちゃんがね!すごく、キレイだったから!』
「……私が?」
ドーラちゃんが綺麗だったり可愛かったりするのはまあそうだろうけれども、改めて言われるほどなんかあっただろうか。
『うん!キレイな光る草原で、キレイに光ってる草を摘んでる、とってもキレイなドーラちゃん!すっごく、キレイなの!キレイな絵みたいで、絵なんかよりもずっとキレイなの!今も、その光る草を持ってるドーラちゃん!すっごく、キレイなの!』
すごく嬉しそうに、いかにドーラちゃんが綺麗であるかについて熱く語ってくれてるんですが。
なにこれ、可愛い。
美しく光る草原で、嬉しそうに喉を鳴らしながら、目を輝かせて熱く語るモフモフ。
しかもそんなに嬉しそうに語ってる内容が私のこととか、超可愛い。
ルラムーン草の束を丁寧にカゴの中に納め、モモに抱き付いて撫で回します。
「……モモ。……モモって、本当に、……可愛いねー……」
そしてモフモフで、とっても気持ちいい。
抱き付いてる体から伝わるゴロゴロという振動が、一段と強くなります。
『ありがとう、ドーラちゃん!ドーラちゃんにそう思ってもらえるなんて、あたしとっても嬉しい!あのね、あたしもドーラちゃんのこと、ほんとにキレイで、すっごく可愛いって思ってるからね!』
「そっかー!ありがとうね、モモー!」
そんな感じで、ルラムーン草を踏み荒らさないように気を配りながらも、一通りじゃれ合って。
そんなことばっかりしててあんまり遅くなるのもなんなので、気を取り直してルラムーン草の採集を再開します。
……こんなことしてても誰も怒らないで、黙々と作業を続けてくれてるとか。
いかんいかん、私のことなんだから、私が一番真面目にやらないと。
心を入れ替えたように真面目に作業に取り組むこと、しばし。
集中し過ぎて近くに寄っていたことにも気付かなかったようで、いつの間にか目の前にいたヘンリーが、こちらをじっと見ていました。
「ヘンリー。どうかした?そろそろ、集まったかな?」
私も結構採ったし、私よりも真面目に作業してくれてたヘンリーなら、もっと集まってそうだし。
そろそろ終わろうとか、そんなことが言いたいんだろうか。
そんなことを思いながら、声をかけてみますが。
「……」
これまたぼうっとしていて、返事がありません。
これはアレだろうか、先ほどのモモのように、幻想的な光景の中に佇む絵になる美少女ドーラちゃんに、見入っている感じだろうか。
そう言うモモも可愛くて大変に絵になっていたわけで、そう言えばヘンリーだってイケメンなんだからやっぱり絵になるわけで。
……うん、絵になるよ
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