暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十九話:月夜に光る草原で
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 ……と言っても、ヘンリーの意思は今のところ確認してないので。
 あっちから言い出さなければそれはそれでいいし、私自身だって全部の呪文の適性を身に付ける必要は、別に無いわけだけど。

 備えあれば憂い無しって言うし、材料が足りないなら最低限のところで妥協しようと思ってたけど、これだけルラムーン草が生い茂ってれば。
 取り尽くす心配は無いし、万一失敗した時の予備も含めて、六十個も取っておけばまず間違いないでしょう!


 というわけで、私の言葉に応じて仲間たちがそれぞれルラムーン草を摘みに、光る草原に散っていきます。
 敵の魔物の姿は見えないので、またヘンリーがトヘロスをかけ直しておいてくれたようですが。

「モモは、私と一緒にいようね。一人じゃ摘めないだろうし、私が摘んだのを入れるカゴを見ててくれる?摘んでる間は、休んでていいから」

 ずっと起きて見張っててくれたので、一人で休んでてもらってもいいんですけど。

 なんだか離れたくなさそうだし、私も一人で置いておくのは心配だし。
 ただ見てるだけというのも逆につまらないだろうから、申し訳程度に仕事をお願いしてみます。

『うん!そうする!ちゃんと着いてって、見てるから!カゴは、あたしにまかせて!』

 嬉しそうに答えてカゴをくわえたモモを連れて、私も草原に足を踏み入れます。


 そうしてしばらく黙々と、ルラムーン草を集めます。

 ヘンリーとピエールはそれぞれ一人で、スラリンとコドランはペアを組んで。
 ヘンリーとピエールは私同様、作業をこなすのに何の問題も無いので、ナイフを使って丁寧に切り取って集めてくれているようですが、スラリンとコドランが一人でこなすには難しい作業なので。
 片方がルラムーン草を掴み、もう片方が切り取るという形で、上手くやってくれているようです。
 スラリンはナイフも持てますがコドランはそれも難しいようなので、鋼のキバを上手く使って。

 私もしばらく手元にルラムーン草を集めて束ねて持ってましたが、持ちきれないというか作業がしづらくなってきたので、一旦モモに預けたカゴに入れようと、そちらに戻ると。

「……モモ?……どうかした?」

 モモがぼうっとして、こちらを見ていました。
 呼びかけても、返事もありません。

「……モモ。疲れた?やっぱり、馬車で休んでる?」

 まだ眠くなるような時間では無いけど、いつもならもう宿に入ってる頃ではあるし。
 敵は出なかったとは言えずっと起きて気を張ってたなら、やっぱり疲れてるかもしれない。

 心配しながらまた呼びかけると、モモがハッと気付いたように答えます。

『……あ、ううん!大丈夫!全然、大丈夫なの!ただ、ちょっとね!』
「ちょっと?どうしたの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ