仲間の為に、他人の為に。
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が立っていた。
「ナツ〜、まだ着かないの?」
「もうちょっとだって」
「それさっきも言ったわよ炎バカ」
卵を抱えたナツとリサーナ、ティアは東の森へとやって来ていた。
この3人はナツが卵を拾った場所に向かっているのである。
「つーか、何で水女までいんだよ?」
「好きでいるんじゃないわ。卵の話を聞いたイオリさんが『じゃあティアちゃんにも育ててもらおーっと』なんて無責任な事言ったからよ・・・」
はぁ、と溜息をつくティア。
「別にお前の力なんていらねーけどな」
「私もアンタの力なんてアテにしてないわよ」
「んだとテメェ!」
「喧嘩はダメ!」
口喧嘩しかけるナツとティアをリサーナが止める。
「3人で協力して卵を育てようよ!ね?」
「無理!」
「嫌」
「即答!?」
まさかの即答に驚くリサーナ。
それとほぼ同時に、3人は卵を拾った場所に辿り着く。
「ここで卵を拾ったの?」
「おう!この木の上から降ってきたんだ」
ナツは1本の大木を指さしながら言う。
「だったら普通に考えて、それはその辺に巣を作ってた鳥の卵じゃない」
「違う!これはドラゴンの卵だ!」
「生憎、推測を簡単に信じるなんて事は出来ないのよ。何の根拠があってドラゴンの卵だと言い切れるの?」
「だから、こことか竜の爪みてーな模様じゃねーか!」
「だからと言って中身がドラゴンとは限らないじゃない。それに、竜の爪なんて見た事ないし。いや、そもそもドラゴンを見た事ないわね」
「喧嘩はダメって言ってるでしょーーー!」
変わらず淡々と言葉を口にするティアにナツがキレる。
そして再びリサーナはそれを止めようとし―――――――
「!」
突然、大きな足音が響いた。
3人の視線が音のした方へ向く。
「ウホッ!」
「「出たーーーーーっ!」」
「凶悪モンスターゴリアン・・・別名森バルカン・・・」
ハコベ山などに生息するバルカンの亜種ゴリアン、別名森バルカン。
森などに隠れたら見えなくなるんじゃないかと思うほどに、その姿は自然と一体だったりする。
そしてそんな森バルカンの大好物は・・・
「卵♪食うからよこせ」
卵だった。
「んだとコラ!?俺の拳でも・・・食っとけーー!」
叫びながらナツが拳を振るう、が。
「ウホホ!かゆいかゆい♪」
全く効いていなかった。
その拳はこんなにデカいモンスター相手にダメージを与えられる程のものではない。
「クソザルー!」
ナツは負けじと再びバルカンに向かっていき、何度も殴る。
「ホイ!」
「ぐあぁ!」
「ナツ!」
が、森バルカンの腕の一振りによって吹き飛ばされた。
「コノヤロー・・・!」
「止めなさい
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