仲間の為に、他人の為に。
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ー!ただいま!」
「イオリ、帰っておったのか」
「うん、今さっきね」
そう言って荷物を置くと、腰に手を当ててティアを見つめる。
「それじゃあティアちゃん、今日も特訓いっくよー!」
「はいはい・・・テンション無駄に高いとウザいんで、ほどほどにしてくださいね」
「ちょっとティアちゃん!師匠に向かって失礼だよ!」
「師匠だとは思ってません。他人です」
「何てクールなのあなたはぁ!」
「それと自惚れる気はありませんけど、もうギルドに入って7年なので修業も特訓も必要ないです。それに、どうして自分より実力のない人を師匠にしないといけないんですか」
どっちが師匠でどっちが弟子か解らなくなる会話をしながら、イオリはティアの背中を追ってギルドを出ていく。
ギルドを完全に出る前、ティアはふと後ろを振り返り・・・
「ま、せいぜい頑張る事ね。自分で食べないように」
小さく舌を出し、嫌味を残して行った。
「ナツー!」
「ハッピー」
時は戻り現在。
ナツの元にはハッピーが飛んできていた。
「1人で何やってるの?」
「ちょっとな」
気のせいか、ナツの声にいつもの元気はない。
「てか、さっきから何1人でぶつぶつ言ってたの?」
「は?」
「聞こえたんだ。『あん時ティア性格悪かったよなー』とか『エルザはやっぱ怖ぇよなー』とか」
どうやら、6年前の事を思い出している間に自然と声が零れていたようだ。
「ねぇ、教えてよナツ」
「おう、それがな・・・」
相棒に屈託のない丸い目を向けられ、ナツは先ほど蘇らせていた6年前の事をハッピーに話す。
しばらくして、ハッピーは首を傾げた。
「ナツって昔、ティアの事『水女』って呼んでたの?」
「まぁな。最初はアイツが『炎バカ』って呼んできたし。だからお互いを名前で呼んだ事はなかったんじゃねーかな」
「でも今は普通に『ティア』って呼んでるよね?ティアも『ナツ』とか『バカナツ』って。いつから名前で呼ぶようになったの?」
ハッピーの問いに、ナツは首を傾げる。
「ん?そーいや・・・いつからだ?」
「覚えてないの?」
「いあ、名前で呼び始めたのがいつかは覚えてんだけどよ。毎日口喧嘩しなくなったのはいつからだったかなーと思って」
「今もよく喧嘩してるじゃん。今日も」
「でも毎日じゃねーだろ?前は1時間に1回のペースで口喧嘩してたんだぞ」
それは喧嘩しすぎだ。
「じゃあ、何時から喧嘩の回数が減ったの?」
「んー・・・そうだ!あの日からだ!」
ナツは思い出したようにポンと手を叩くと、その日の事を話し始めた。
時は再び6年前。
ナツが卵を見つけてから数日
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