Introduction
第十六話 落日
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なってもたぶん大丈夫なはず。でも出来れば体調が悪いとか理由をつけて当日は極力水着を着るのは回避するつもりだ。
もう水着は用意してある旨を伝えて、みんなには納得してもらった。……薫子さんが無理やり着せようとして、危うく脱がされかけたけど。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『う〜ん、データ見てみたけど月読の破損はちょっとひどいみたいだねぇ。STCで直せるのかな?』
買い物から戻った僕は、束さんと連絡をとっていた。橘さんとの試合で大破した月読は、既に開発元でもあるSTCに預けて修理をしてもらっている。同時に、データは束さんに送っていた。
「うん、とりあえず明日一度顔をだして進捗を確認してくる。……もしかしたら束さんに協力お願いするかもしれないけどいいかな?」
『うんうん、問題ないよ。ついでにいろいろ改造しちゃっていいかな? 具体的には第四世代相当くらいまで』
「そ、それは魅力的だけどいろいろと拙いから、とりあえずは直すだけにしてほしいかな……?」
『ん〜、残念。まぁ、ちょっと気になることがあるから直接見れるだけでもいいかな』
束さんの好きに改造させてしまっては禄でもないことになる気がする。というか第四世代相当って、各国が第三世代の開発に鎬を削っているところにそんなもの出したら大騒ぎになる、勘弁してほしい。
学園で目立つことが避けられないのは、もう半ば諦めたからいいけど……いや、本当はよくないけど。それでも世間的に注目されてしまうのは話が違う。束さんのこともあるし、極力それは避けていきたい。
正直、もうちょっと駄々を捏ねるか無理やり改造されるかもしれないと思ったけど、返ってきた答えは意外にもあっさりとしたものだった。束さんの気になること、というのがなんなのかは疑問だけど、彼女がそういう言い方をしたのなら聞いても教えてくれないと思う。
この日は話をそこそこに、明日僕が月読の状態を確認したうえで改めて連絡をすることにして部屋に戻った。そこでは楯無さんが昼間の買い物のことでいろいろ絡んできたので無視を決め込もうとしたら、何故か僕の水着を披露させられる羽目に。『見せてくれないと口が軽くなっちゃうかもな〜』なんて言われて仕方なく……、いやそうは言っても彼女がバラしたりすることはないってわかってるけど……わかってるけどね!
半ば強引に水着を着させられた僕はまた一つ大事なものを失った気がして枕を涙で濡らした。隣で楯無さんが『なんであんなにスタイルよくて肌も綺麗なの……やっぱ本当は女の子なんじゃ』とか言ってた気がしたけどきっと夢だね、うん。
翌日、僕はSTCへと向かう。当然、月読の状況を確認するためだ。いままで、データのやり取りなどは行ってきたけど、直接訪れるのは入学以来初めてだ。今までの修
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