第24話 ミンディア星域会戦 前編
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はは、妨害電波によって敵艦隊には通用しないが、これだけ接近されれば『回想シーン強制流し装置』から逃れることなど不可能なのだよ……て言うか、砲戦で圧倒的防御力を発揮するパーツィバル級戦艦と戦闘艇による近接攻撃を無力化する『回想シーン強制流し装置』のコンボってチート過ぎね?」
『回想シーン強制流し装置』の活躍が嬉しかったのか、アドルフの顔は綻んでいる。
「しかしこれで、敵の近接攻撃を事実上封じることに成功しましたな」
「ああ、これだけの戦力差だ。奴らが勝つには俺を撃ち取る他無いが、その方法の一つが潰えたわけだ。さて、敵はどうするかな?」
その頃、バドエルとアルファーニは戦闘艇部隊壊滅の報を聞いていた。
「戦闘艇部隊が壊滅だと!?」
「敵は新型戦闘艇を投入してきたようです。それと、謎の怪電波によってこちらの戦闘艇が行動不能にされたようですね」
「厄介なものを作りやがるぜ!」
「ですが、その怪電波はこちらが敵旗艦に接近した時しか発動しませんでした。もしかしたら、射程か何かに制限があるのかもしれません」
「だが、何にしろ今詳しく調べている暇はねぇな。当面は戦闘艇を敵旗艦に近寄らせねぇようにして対処するしかないか」
「はい、それが妥当かと。それで、どうしますか? 戦闘艇を使った作戦は失敗に終わりましたが……」
「いや、突撃はこのまま続行だ。ここでなんとしても敵旗艦を討ち取る」
戦闘艇は大打撃を受けたとはいえ、バドエル艦隊が帝国軍の本隊に食い込んでいる事実に変わりはない。
バドエルとしては、このチャンスを最大限に活かしたかった。
「相変わらず狙いは俺か……本隊を後方へ下げろ。それでも追ってくるようなら縦深陣に引きずり込んで袋叩きにするまでだ」
帝国軍本隊が後退していくのはバルトクロスの艦橋でも確認された。
「敵本隊、後退します!」
「ちっ、皇帝には届かないか」
「そうですね。このまま進めば敵陣のド真ん中に飛び込んでしまい、四方から砲撃を受けるだけです」
「かといって、手を拱いていれば兵力差でこちらが圧殺されるって訳か……八方塞がりとはこの事だな」
「………ここは発想を変えてみましょう。確かにこちらは殲滅の危機ですが、敵の前衛部隊を挟撃する好機であるとも考えられます」
「なるほどな。お前は流石だよアルファーニ」
バドエルはアルファーニの献策を入れ、艦隊を回頭させる。
「む…いかん、直ちにミッターマイヤー、パエッタ艦隊を下がらせろ!」
この行動に帝国軍の各司令官は頭を捻ったが、唯一人ロイエンタールだけはティオジア軍の狙いに気づいた。
「もう遅い。全艦主砲斉射!」
ティオジア軍4個艦隊による砲撃がミッターマイヤー、パエッタ艦
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