第24話 ミンディア星域会戦 前編
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あった。
要塞砲に匹敵するこの大口径砲の前に、どんな盾艦も無力であったのだ。
「第二射用意」
アースグリム級は改装により、その艦首大型砲を2発まで確実に放てるようになっていたのである。
「撃て!」
止めと言うべきだった。
大口径砲複数の二斉射を受け、指揮官を失った第八艦隊は混乱の極みに陥り、烏合の衆と成り果てた。
さらに、アッテンボロー艦隊が第八艦隊側面より砲撃を開始したことで決定的となった。
慌ててバドエル、ジュラール、グルーデの3個艦隊が前線を突破して救援に駆けつけたものの、その時には第八艦隊の残存艦艇は5000隻を切っていた。
「第八艦隊が……」
「だが、敵本隊が前に出てきている今が好機だ。ジェントルーデ隊を先頭にして敵本陣に雪崩れ込め!」
真紅に染め上げられた1500隻の艦艇がバドエル艦隊の先頭へと出て来る。
「出番よ! 全艦突撃! 侵略者共にジェントルーデ隊の実力を見せつけてあげちゃいなさい!」
ジェントルーデ隊を指揮するロゼリエッタ・ルオ・ジェントルーデ中将はそう言い放ち、突撃を開始させた。
ジェントルーデ隊はティオジア軍最高の攻撃力を誇る部隊である。
しかしながら、ジェントルーデ隊が如何に精強であってもその数はたかだか1500隻。
出来ることは帝国軍本隊の面先を凹ませる程度であった。
が、バドエルにはそれで十分だった。
「よし、戦闘艇を発進させて混戦に持ち込め! マイラーノ、ロレダン隊はジェントルーデ隊を援護しろ!」
元より、バドエルの狙いは混戦に持ち込むことであり、それを可能な状況を作り出すのが目的であった。
「敵戦闘艇が発進してきます!」
「ほう、混戦に持ち込む気か。ならば、こちらも戦闘艇を投入して敵戦闘艇を駆逐せよ。丁度新型戦闘艇ヴァルキリーの実戦での性能評価にもってこいだ」
アドルフの直属隊の空母よりヴァルキリーが次々と発進する。
ワルキューレに対して3:1のキルレシオを誇るヴァルキリーは、ティオジア軍の戦闘艇に対しても圧倒的な性能を見せつけた。
「な、なんだこいつは!!」
ヴァルキリーは戦場を無人の如く駆け回り、敵戦闘艇をバタバタと撃墜していく。
このヴァルキリーの活躍が、後にルフェールでヴァルキリーショックを引き起こすのは余談であった。
だが、いかんせん数が少なく、遂には突破を許してしまう。
「敵戦闘艇の小部隊がこちらへ向かってきます」
「構わん、『回想シーン強制流し装置』を作動させろ」
「はっ、『回想シーン強制流し装置』作動」
『回想シーン強制流し装置』によってモニターを全て切り換えられたティオジア軍戦闘艇は唯の的と成り果て、次々と撃墜されていく。
「ふはははははは
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