第24話 ミンディア星域会戦 前編
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ていた。
「撃て撃てー、このまま突撃して敵を突き崩すのだ!」
第四艦隊は、機動性を伴った突撃と戦闘艇による近接戦闘でファーレンハイト艦隊を翻弄する。
「うむ……これは厄介だな」
「ファーレンハイト提督、どうなさいますか?」
「なに、そう難しいことでもないさ。こちらもワルキューレを出し、敵戦闘艇を艦砲の射程内に誘い込むだけのことだ」
果たして、ファーレンハイトの思惑通り誘い込まれたルフェール軍戦闘艇は艦砲射撃によって尽く屠られていく。
「何をやっておるか! ……ええい、こうなれば直接引導を渡してくれる! 全軍突形陣を取れ、我が艦隊はこれより前方の敵に突撃を掛ける!」
「真っ向勝負か……よろしい、本壊である」
ファーレンハイト艦隊も突形陣を取り、両艦隊は正面から激突した。
* * *
16時27分。
「そろそろ頃合いだな。パナジーヤ、ブルーナ、ウィンディルムの3艦隊は天頂から、ルッツ、ワーレン艦隊は天底より最大戦速にて敵本陣へ突入せよ!」
天頂よりパナジーヤ、ブルーナ、ウィンディルムの3個艦隊40000隻が、天底よりルッツ、ワーレンの2個艦隊30000隻が連合軍へ向け進軍を開始する。
「敵が動きました! 天頂方向より3個艦隊、天底方向より2個艦隊です」
「天頂からの敵にはルフェール第六、第九艦隊を、天底の敵にはユリアヌス艦隊を当てて対応して下さい」
アルファーニは即座に指示を出す。
「各艦隊には負担が大きくなりますが……」
両方の迎撃部隊は敵より1個艦隊少ない。
それを承知で尚、送り出さなければならないことにアルファーニは良心の呵責を感じているようであった。
「いや、こちらは数で劣っている。お前の判断は正しいよ。それにしても……これだけの戦力を簡単に投入してくるとはな。大国の物量ってのはいつ見ても嫌なもんだぜ」
バドエルの脳裏に、かつて戦ったロアキア軍との戦闘が思い出される。
かつてのストリオン星域会戦はロアキア軍15000隻に対してバドエル率いるウェスタディア、ラミアム連合軍は4000隻。
其れに比べて、今回は比率こそマシではあるが、以前とはスケールが違い過ぎた。
「25万もの軍勢の総司令官ってのは僥倖だが、敵が40万もいるんじゃ楽じゃないぜホント」
そう言っている間にも、新たな戦闘は開始される。
ルフェール第六、第九艦隊とユリアヌス艦隊は数で劣勢にありながら良く凌いでいた。
「まだ敵の戦力には余裕があります。おそらく近いうちにもう一度動きがあるでしょう」
アルファーニは確信に満ちた声で、そう断言した。
・・・・・
アルファーニの予想通り、アドルフは新たな策を実行に移そうとしていた。
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