第24話 ミンディア星域会戦 前編
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、バドエルは二つ返事でOKする。
「いいぜ、受け身ばかりでは芸が無いからな。ラミン艦隊とルフェール第四艦隊は前進して敵を叩け!」
ラミン艦隊が右から、第四艦隊が左から前進を開始する。
「そう来るか、ファーレンハイト艦隊、スプレイン艦隊で迎撃せよ!」
ラミン艦隊をスプレイン艦隊が、第四艦隊をファーレンハイト艦隊が迎え撃つ。
「敵はスプレイン上級大将の15000隻。相手にとって不足は無いわね」
ラミンはそう言って、不敵に微笑んだ。
「左翼ザーニアル隊、マリネッティ隊はそのまま前進。右翼デュドネイ隊は長距離射撃で援護しつつも戦局に応じて適切な行動を取れ。中央マリノ隊、デッシュ隊は本隊と共に別命あるまで待機せよ」
スプレイン上級大将はバルバロッサ級戦艦ヴェスヴィオの艦橋から、麾下の分艦隊に命令を下す。
スプレインの作戦は、左翼が圧力を掛け、耐え切れず右翼方向に流れたところを狙い撃ちし、然る後に温存していた中央の戦力で勝利を決定付けるというものであった。
「敵左翼の攻撃激しく、防御で手一杯です」
「このまま正面からやり合うのは愚の骨頂だわ。攻撃を受け流しつつ艦隊を左にシフトして敵の右翼を叩きましょう」
「しかし、それは敵の策に乗せられているのでは?」
「勿論そんなことは分かっているわ。けど、それはあくまで押された結果の話。こちらから積極的に左へ流れた場合は別よ。こちらの右翼を完全に防御に回し、残りの全艦艇で敵右翼を攻撃することで裏をかけるわ」
スプレインの思惑を読み切ったラミンは、それを逆手に取ることで見事に裏をかくことに成功した。
「デュドネイ提督の艦隊に敵の攻撃が集中しています」
「やるな、こちらの策を逆手に取るとは……。マリノ隊を動かしてデュドネイ隊の援護に回らせろ。それと、ザーニアル、マリネッティ、デッシュの分艦隊を敵側面に張り付けて防御ラインを削り取っていけ」
スプレインは作戦を変更する。
ラミン艦隊は右翼の防御に多くの戦力を割いている関係上、増援を得たスプレイン艦隊の右翼に圧力を掛け切れずにいた。
「本隊が手薄だけど………」
「側面に敵分艦隊が取り付いています。このまま本隊に攻勢を掛ければ敵旗艦を撃ち取る前に我々が分断されかねません」
「でも、あまりモタモタしていても右翼の防御ラインが削り取られてこちらの負けよ」
「では……いったん退いて陣形を再編するしかありませんな。この状況では二進《にっち》も三進《さっち》も行きません」
「……そうね。このまま袋小路になるよりは多少の損害覚悟で退くしか無さそうね」
・・・・・
一方、ファウスト・ベルゼー中将率いるルフェール第四艦隊はファーレンハイト艦隊と死闘を繰り広げ
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