第8話 登校初日の夜に
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柔らかさが俺の手の平に広がる。
それに加えてかなめのビックリしたような声。
まさか……
そう思い後ろに振り向くと、
「お、お兄ちゃん。な、なにしてるの?」
「な、んで……」
ヘッドフォンを外してこちらを向いているかなめの姿があった。
そして俺の右手は、そんなかなめの未成熟な胸の膨らみをつかんでいた。
感触から……というか、はたから見てわかるが、かなめが下着をつけていないのがよく分かる。
しかもただでさえ大きめのタンクトップが、俺の手によって肩からズレて、微かにだが胸の谷間が見えて――
「――っ……!」
強くなってしまった。例の血流が……!
――ドクンッ――!
「……お兄ちゃん。まさか……!」
どうやらかなめには、いつもの俺がだんだん変わっていくのが分かったらしい。
ああ、どうやらもうダメらしい。
まあ今のは事故みたいなものだし、兄妹ということはノーカンということにしよう。……精神安定のために。
「……ごめんよ、かなめ。可愛い妹にこんな事をしてしまって」
そう言いかなめの胸から手を放す俺。
そして同時に妹のかなめに対しても、俺の口調がいつもより低くキザっぽくなっていることに自分でも驚く。
前のかなめでなった時は血流のかかりがまだ甘い方で、普通の女子になるよりもかなめに対してはまだマシだったのだが……
今回は昼間のコタツ、無防備な顔や姿、胸の感触のスリーアタックだ。前よりも血流が明らかに強い。
でもだからって妹にはこんな口調にならないと思ったのだが……やっぱり妹も『女』なんだな。
「いや、お兄ちゃんに触られるのは全然OKなんだけど、ちょっと驚いちゃって……でもなんであたしの部屋にお兄ちゃんがいるの? 近くでヘンな気配がすると思ってそっち向いた瞬間、胸をつかんでくるし」
なるほど。俺が肩だと思うところに手を伸ばしたと同時にかなめが振り向いたせいで、見事に胸にジャストでたどり着いてしまったということか。
「かなめを心配してきたんだよ」
「あたしの心配?」
「そう。俺の大切なかなめが何かに悩んでるんじゃないかと思ってさ」
「……なんでそう思ったの、お兄ちゃん? あたしは別にご飯の時も普段通りだったと思うけど……」
「確かに普段通りだった。けど――普段通り過ぎた。あれじゃ、普段からかなめの事を見てる俺の事は騙せないよ」
おい俺よ。マジで妹相手にウィンクとかやめてくれ。
そのウィンクを見て、
「あたしを、いつも見てる……」
顔を赤くしてるじゃねぇか。しかも幸せそうに。
かなめもかなめで、
「ヤバい。今のお兄ちゃん、最高にかっこいい。――どうしよう、ヒスっちゃいそうだよ……!」
とか呟いている。
どうやら前から何度かかなめを狂わしている、心のナントカ・ス
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