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ネギまとガンツと俺
第20話「試練―其の@」
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ンジェリンがニヤリと笑みを浮かべた。それはもちろん、背を向けて歩いているタケルには見えなかっただろうが、ゾクリと嫌な予感を覚えさせた。

「いや、茶々丸ではなく……そうだな。タケルにしよう」
「「「……え?」」」

 驚きに身を硬直させたタケルとネギ、それに茶々丸の声が同時に呆然と漏れた。

「いーよ、わかった。そんなの頑張ってるネギ君なら楽勝だよ!」
「ま、まま、まき絵さん!?」

 アタフタと焦るネギを尻目に、最も驚いていたのはやはり『彼』だろう。

「ま……待て」

 ――なぜ俺が?

 そう言おうとした彼に、エヴァンジェリンが「京都での貸しをこれでチャラにしたくないか?」

「う、ぐ」

 京都で、エヴェンジェリンとフェイトに命を助けられた一件のこと。

「貸しのつもりはない」と答えた彼女に首を振って「ちゃんと返す」と言い張ったのは、他の誰でもないタケル自身だ。

 声を詰まらせ、僅かに逡巡してみせ――そして。

「わかった」

 頷いた。

「ええ、た……タケルさん!?」

 ネギが半分泣きそうな声で抗議するが「す、スマン」とタケルに謝られてグゥの音も出なくなった。

 それらを見届けていたエヴァンジェリンが「とりあえずもんでやれ」と一言。

「……行くぞ、ネギ」

 反射的に身構えたネギに一足飛びで近寄る。一気に距離を潰したタケルは、まだその動きの速さに反応できていない少年を無造作に、片手で突き飛ばした。

「はぐっ!」

 すっ飛ばされてそのまま壁に激突。やっと目が追いついたまき絵はその痛そうなネギの様子に慌てて駆け寄る。

「タケルに一発でも入れられたら貴様には芽があると思ってやる。場所はここ、時刻は午前0時にまけてやる。ま、精々頑張ることだな」

 ハハハと笑いながら遠ざかっていくエヴァたち一行の姿を、タケルは暗澹たる思いで視界の隅に見届ける。

「ネギ?」
「ネギ坊主!?」
「ネギ先生?」

 階段からアスナ、クー、刹那が順にタケルに「大丈夫!?」と駆け寄っていく。タケルはそっと静かに帰ろうとして、佐々木まき絵が酷く後悔した顔で呆然としているのを見つけてしまった。おそらく自分のせいでネギが大変な目にあうであろうことを察知したのだろう。

「……はぁ」

 面倒そうに息を吐き、彼女に声をかけた。

「……え?」
「佐々木さんのせいじゃない」
「で……でもでもネギ君が」
「佐々木さんがエヴァを挑発してなくても、多分こうなっていた」
「……」

 タケルの言葉に納得がいかないのか、沈黙で答える彼女に、タケルは言う。

「もしそれでも納得がいかないなら、あと2日という限られた時間をキミが出来るだけサポートしてあげれば
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