第20話「試練―其の@」
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苦シイゾ」
「くぅうぅぅううううう!! 駄目だ、可愛いぞぉぉ、こんちんくしょ〜〜〜!」
「オイテメェ、恥ズカシイジャネェカ、ヤ……ヤメロヤ」
「て……て、てて、照れてるぞーーーーーー! ツツツツツンデレかいぃぃぃ〜!! 可愛すぎるぞおぉおおおぉぉぉぉ!!」
「「……」」」
ジッと戦闘態勢に入ろうとして固まったエヴァと茶々丸が恥ずかしそうに体を元の体勢に戻し、ついでに呆れたような目で変態を見つめる。
「……はっ!?」
彼女達の視線に気付いたのか、今まで完全に壊れていた変態がタケルに戻り、ピタリとその動きを止めた。
錆び付いた動きで「は……ハハハ」と乾いた笑みを浮かべる。
「お……お返しします」
とりあえず、落ち着いた彼だった。
「……いや、俺のところには来てない」
普通に戻ったタケルがエヴァの言葉にしっかりと答える。
その頭には茶々ゼロがしっかりと乗せられており、つまりは茶々ゼロ自身もタケルのことを少なからずは気に入ったということなのだろう。
「そうか」
タケルの返事にエヴァはクッと小さく微笑んだ。
今、彼等はネギの話をしていた。
どうやら3日前の午前中、花粉で苦しんでいるエヴァの下にネギが弟子入りを志願しに来たらしい。
そのことでエヴァに「お前のところには弟子入りに来ていないのか?」と尋ねられたのだ。当然、そんな話はタケルに来ていないので、「来ていない」と答えた、というわけだ。
「……随分嬉しそうだな」
タケルの指摘に、彼女は慌てて首を振る。
「な、馬鹿なことを言うな。私はそんな面倒なことは嫌いだ」
「そうか」
「……だが、そうだな。誰よりも私の下へと弟子入りに来たことに関しては、認めてやってもいいな」
――……どんな条件で弟子にしてやるかな。
ぶちぶちと呟く素直じゃない真祖さまにタケルは隣の茶々丸と顔を合わせて軽く頷く。よく耳を凝らせば「ケッ、御主人ハ素直ジャネケカラナ」とどこか機嫌の良い声で茶々ゼロも呟いている。
なんだかんだ『悪』だといわれていた彼女だったが、その心根はお人よしな部分が流れているようだ。
ほぼ孤独に生きてきたらしい彼女―もちろん、学園長情報―にとって、スプリングフィールド父子には良くも悪くも手を焼かされていて、それでも確かな居心地をそこに感じられているのかもしれない。
――やはり、この世界は気持ちがいい。
反吐が出るような腐った人間には今のところだが、会ったことがない。気持ちの良い、清清しい世界だ。
そんなことを考えたタケルが、朝の道を歩く彼女達とがそれぞれの寮へと別れようとしたときだった。
小気味良く地を蹴る音が響いていること
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