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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百三十九話 朝の夢 夜の歌?
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「はっ」」

校長室を辞した後、幼年学校内を散策している2人を生徒達は遠巻きに見ているだけである。ラインハルトの持つ覇気と他者を近寄らせない威圧感に萎縮しているのであった。

「キルヒアイス、卒業以来2年だが、幼年学校も様変わりしつつあるな」
「はい、ラインハルト様」
「くだらない劣悪遺伝子排除法の授業も無くなったそうだし」

「食事も立派な物に変わって居ますね」
「あの頃の食事は酷かったからな」
「そうですね。お嫌いなチャシャが出る度に私のトレーに移していましたから」

ラインハルトの言葉にキルヒアイスが笑いながらチャチャを入れていく。
「あれは、歯に挟まるから、嫌なんだ。決して好き嫌いじゃない」
「判っております。奥歯に挟まる感覚がお嫌いなのですよね」

お互い顔を見ながら、2人して笑いだす。

その日は、結局何も起こらず、幼年学校へ宿泊した。
翌日、TV電話でラインハルトとキルヒアイスの新しい任務先が伝えられた。

『シェーンヴァルト中佐、キルヒアイス大佐に軍務省人事局より辞令です』
「キルヒアイス大佐です」
『シェーンヴァルト中佐、キルヒアイス大佐に6月1日付けで憲兵隊への出向を命じるとの事です』

「憲兵隊?」
『はっ、1日午前9時までに憲兵隊総監部へ出頭して頂きたいとの事です』
「了解した」
『はっ』

憲兵隊と聞いてラインハルトもキルヒアイスもお門違いの部署だと思っていた。
「憲兵隊と言えば、キルヒアイスに多生の縁があるな」
サイオキシン事件の事をライハルトは思い出していた。

「はい、しかし一瞬の事でしたし。それほど繋がりが有るとは」
「まあ、行ってみるしかないな」
「はい」

「憲兵隊総監と言えば、ボケ老人が勤めていると聞くが事実か?」
「お待ちください」
キルヒアイスは、携帯端末を起動させ調べ始める。

「リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン上級大将、大公時代のフリードリヒ4世の侍従武官で伯爵、ひなたぼっこ提督の居眠り伯爵の異名を持つ、74歳」
「何だそれは?」

ラインハルトが怪訝そうに聞き返す。
「読んで字の如くで、総監室で日がな一日居眠りしているようです」
「何故その様な老害が総監をしているのだ?」

「色々と言われているようですが、陛下の侍従武官をしていたことで、陛下の信任が厚いと」
「無能者を、単なる繋がりだけで、お飾りの総監にしている訳か」
「そうとも言いきれないかと、憲兵隊はサイオキシン事件以来、素晴らしい働きをしていますし」

「しかし、それはグリンメルスハウゼンの部下達の手柄ではないのか?」
「確かに、副総監のモルト大将や総監高級副官のケスラー中将の手腕が有名です」
「モルトにケスラーかどの様な人材か、会って
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