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久遠の神話
第六十四話 戦いを止める為にその一
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                   久遠の神話
             第六十四話  戦いを止める為に
 工藤と高橋はあの戦いの翌日の朝すぐにだった、地連の客室において大石からその話を聞いた。上城は学校なのでいない。
 二人は大石からその話を聞いてまずはこう言った。
「そうか、あの人がか」
「女神だったなんてね」
「この戦いはギリシアから来たものか」
「そのことも思いも寄らなかったです」
 こうそれぞれ言うのだった、深刻になった顔で。
「思えば彼女はギリシアから来てギリシアの古文書を読んでだと言っていたが」
「考えてみれば色々おかしかったですね」
「何かとな」
「今さら気付いたことですけれど」
「はい、あの方はアルテミスでした」
 大石も驚きを隠せない二人に冷静に話していく。
「私達が戦い理由は糧だったのです」
「セレネー女神の想い人を神にする為の力を出す」
「その糧だったんですね」
「言うならば家畜です」
 大石はあえてこの表現を使って話した。
「私達は」
「そうですね、それは」
 工藤は大石のその言葉に応えた。
「乳牛の様に」
「しかし命を賭けて何度も死んで、ですからね」
 高橋はその工藤に述べた。
「それを考えたら肉牛ですかね」
「どちらか、か」
「乳牛と肉牛を合わせた感じでしょうか」
「どちらにしても俺達は家畜か」
「そうした立場ですよね」
「面白くないものだ」 
 工藤はここまで聞いて述べた。
「家畜とはな」
「ですね。余計に戦いを止めたくなりましたよ」
「ふざけた話だ、この戦いは絶対に俺達で終わらせる」
「そうしましょう、本当に」
 二人は目を怒らせてさえいて話す、そして。
 そのうえでこうだ、大石に対しても言った。
「あの、それでなのですが」
「俺達の考えは変わりません」
「是非共この戦いを終わらせましょう」
「俺達で」
「はい、ですが思えばです」
 ここでこうも言った大石だった、二人の言葉に頷いて応えながらも。
「そのセレネー女神も悲しいですね」
「ですね、それは」
 高橋は大石の言葉の意味がわかった、それで確かな顔になり頷いて返したのだ。
「言われてみれば」
「確かに私達を糧にしてはいますが」
 だがそれは、というのだ。
「恋人を神にして永遠にいたい為ですから」
「何か俺がその立場だと」
「どうされていましたか?」
「わからないですね、その時は」
「そうですね、それが可能ならば」
「しかも俺達は神話の頃は罪人だったんですよね」
 高橋はこのことについても言及した。
「そうだったんですよね」
「そうです、具体的にどうした罪を犯したかはわかりませんが」
「それでもですね」
「罪人だったことは確かです」
 十三人の剣士全
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