第五十話 秋に咲く桜その七
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「今すぐ神社に来てくれるかしら」
「えっ、先輩のお家にですか」
「そこにですか」
「そう、来てくれる?」
こう二人に言って来たのだ。
「今からね」
「あの、どうして急に」
「いきなり神社に」
「決まってるじゃない、今からお風呂入ろうと思ってたけれど」
「まさかと思いますけれど」
「私達に」
「檜風呂よ、うちは」
古風かつ贅沢にだというのだ。
「一緒に入らない?女の妖怪さん達誘おうとしたら皆温泉に行ったのよ」
「それで、ですか」
「相手がいなくて」
「そう、来ない?」
こう二人に言うのだ。
「そうしない?」
「私達今ワイン飲んでて」
「結構お酒入ってますけれど」
「じゃああんたのお家からうちまで歩いてきてね」
茉莉也はその二人にこう提案する。
「それでお酒を多少抜いてね」
「先輩の神社に来ればですか」
「いいっていうんですね」
「そう、ただし途中酔ってて変な奴に絡まれたら駄目だから」
それでだとだ、ここで茉莉也はこうも言った。
「そっちに天狗さんが迎えに行くわ。あんた達今何処にいるの?」
「私のお家ですけれど」
聖花が答える。
「そこで二人でパスタ食べてました」
「じゃあそっちに行ってもらうわね」
「何か決まってません?」
「いや、お風呂入ることは決まってるから」
二人の意志に関係なく、というのだ。
「だからね」
「そうですか」
「じゃあいいわね」
「ええ、こっちでもお風呂入ろうって話にもなってましたし」
「お散歩もしようかなって」
愛実はこのことを話した。
「丁度お話してましたし」
「ですから」
「じゃあいいわね」
また言う茉莉也だった、そうして。
茉莉也は電話を切った、後に残った二人は顔を見合わせてお互いに話した。
「じゃあ今から」
「行くのね」
「天狗さんが来るらしいし」
「それならね」
二人はまずは食器を洗うことにした、天狗が来る前に。そうして天狗に案内されて茉莉也の家の神社まで向かったのだった。
それで三人で風呂に入った、風呂からあがってもまだ二人には酒が残っていたが。
それでもだ、こう言うのだった。
「結構抜けました」
「お酒が」
「そうみたいね、ところでね」
「ところで?」
「ところでっていいますと」
「あんた達今度は桜のところに行くのよね」
茉莉也が二人に聞いたのは泉のことだった、三人で風呂上りの姿で茉莉也の部屋に入りそのうえでのやり取りだ。
茉莉也は和服を着ており二人は学校に来たから制服姿だ、三人はそのうえで部屋の中央で車座になっているのだ。
そこでだ、茉莉也はお茶を飲みながら問うたのだ。
「そうよね」
「はい、そうです」
「そのつもりですけれど」
「あそこのことは聞いてるわよね」
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