TURN115 オリジナル対クローンその二
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「そうさせてもらいますね」
「博士も艦隊の指揮が出来たの」
「そうですよ、御存知なかったのですか?」
「科学者なのに」
提督ではない、カテーリンが言うのはこのことからだった。
「艦隊の指揮も出来るなんて」
「ロシア帝国時代に試験艦隊の指揮をしまして」
そこからだというのだ。
「身に着けました」
「そうだったのね」
「ではそうさせてもらって宜しいですね」
「ええ、今は少しでも人が欲しいから」
ソビエトがそこまで追い詰められていることは事実だ、だからこそクローンの将兵も何人も投入しているのだ。
それでだ、こうロリコフに答えた。
「御願いするわね」
「それでは」
「じゃあ皆出撃です」
カテーリンは一同にあらためて告げた。
「資産主義者達を退けモスクワを奪還します」
「了解」
こう話してだった、そしてだった。
ソビエト軍は出撃し枢軸軍を迎え撃った、その目の前に枢軸軍が来た。
ドワイトはそのソビエト軍を見てだ、口の端を歪ませてこう言った。
「一体何時の間に俺をコピーしたんだろうな」
「それね、あんた髪の毛ないしね」
キャロルがモニターからそのドワイトに応える。
「どうやったのかしらね」
「唾液ね」
そこからだとだ、ドロシーが述べた。
「パーティーの場で。コップに付いた唾液から」
「おいおい、何か推理小説みたいだな」
その唾液が証拠として事件の解決につながるという話は多いからだ、ドワイトはこのことを言ったのである。
「そうなるとな」
「そうね、やられたわね」
「そういえばソビエト大使館主催のパーティーにも出たな」
まだ同じ連合国同士だった頃にはそうしたパーティーも開かれていたのだ。
「その時か」
「じゃああたしのクローンも?」
キャロルも国防長官としてパーティーに出ていた、それで話を聞いて気付いたのだ。
「そういうのも?」
「多分細胞は摂取されていたわ」
ドロシーはそのキャロルに答えた。
「私も。他の皆も」
「気持ち悪い話ね、そこからクローンを作られるのは」
「ええ。私もそう思うわ」
ドロシーは無表情にむっとした顔のキャロルに返した。
「そうしたやり方は」
「全くよね、ソビエトらしいっていえばらしいけれど」
「私もクローンまでいるとはな」
レーティアも不愉快さを露わにさせている。
「警護が不十分だったか」
「そうみたいね、警護の見直しが必要ね」
グレシアもレーティアに応えて言う。
「暗殺の危険があるから」
「全くだ、ソビエトの工作員には以前から注意していたがな」
「より一層な」
「不愉快ですね」
ネルソンは眼鏡の奥のその顔を顰めさせていた。
「全く以て」
「あの、あの人は」
パルプナがそのネルソンに問う。ネルソン
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