第3話 「新たな魔導師」
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
翌日、高町は何事もなかったように学校で授業を受けていた。
魔法との出会い、初めての戦闘とこれまでの生活とは別世界のことを経験したはずなのに、何事もなかったように生活できるとは強心臓の持ち主だと言えるだろう。
時々制服の中を覗き込んでいたことから、デバイスを身に着けていると思われる。少年の協力者になったということだろう。自分の意思なのか、デバイスにマスターと認められて少年が使用不可になったのかは定かではないが……おそらく高町の意思だろう。
高町を時折観察しているうちに、あっさりと放課後を迎えた。学校にいる間に何か起きたら……と不安だったのだが一安心だ。
「じゃああたしとすずかは今日お稽古の日だから」
「行ってきます」
「うん、お稽古頑張って」
バニングスと月村は高町に見送られ、車で去って行った。それを笑顔で見送った高町は、足早に帰宅し始める。
「……俺もさっさと帰るか」
身の安全と高町が封印に失敗する可能性を考慮してファラと一緒に行動しているが、彼女にはかばんの奥に潜んでもらっている状態だ。窮屈な思いを1日させていたため、さっさと解放してやりたい。
「あっ、夜月くん。また明日」
俺に気づいた高町は笑顔で言ってきた。なぜこのタイミングで俺の存在に気づいて話しかけてくるのだろうと疑問が湧くが、訪ねたところで「うーん……偶々気づいたから」のような返事しか返ってこないだろう。
「ああ、また明日」
歩きながら返事を返して、会話を最低限に済ませる。高町も帰宅を始めたようで、俺の少し後を歩いているようだ。
「……!」
歩き始めてすぐ、何かが発動した気配を感じた。高町が相手をしたロストロギアから感じられら気配に酷似している。
「ぁ……!」
高町も感じたようで、立ち止まって振り返ったようだ。
ここで俺も振り返ると、高町に怪しまれる……彼女の性格だと、俺が何をしているんだ? と思い、自分の行動に意味はないといった言葉を発する可能性のほうが高い気がする。だが怪しまれる可能性もある以上、高町と距離が開けるまではこのまま歩き続けた方がいいだろう。
数分ほど歩き続けたとき、ファラから知りたくなかった情報が耳に入った。
〔……マスター、なのはって子とは別の魔力反応〕
この言葉が意味するのは、状況から考えて高町に敵対する勢力の可能性が高い。
俺は昨夜帰宅すると、ロストロギアの存在を叔母に教えるべく連絡をしたが、仕事が立て込んでいて出る暇がなかったのか、叔母は電話に出なかった。家に電話を忘れたまま仕事場で寝泊りしているのか、今日も折り返しの連絡はない。
つまり、新たに現れた魔導師が管理局である可能性はないに等しい。そもそも管理局に情報が入ったとしても、この世界はあ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ