第3話 「新たな魔導師」
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しばらくの沈黙の後、少女はデバイスの形状を通常型に戻した。
少女は構えを解いたが、フェイントかもしれない。だが……彼女の瞳に敵意は感じない。このまま剣を構えていると敵意を増させるかもしないと思った俺は、後退しながら剣を下ろした。
「……今はあなたの言葉を信じます。ですが、嘘だった場合は容赦なくあなたを襲います」
少女はそう言い残すと、高速で去って行った。安堵を覚える一方で、緊張が切れたせいか身体中から力が抜けていく。
〔マスター、あんなこと言っちゃってよかったの?〕
〔言うだけなら問題ないだろ。それに、あのふたりが入る以上は俺が介入することはないだろう〕
あのふたりの間で衝突はあるかもしれないが、どちらにせよ封印はされるだろう。
「……それにしても」
間近で見た少女の瞳は、とても寂しさに満ちているように見えた。高町が会話を試みたのは、おそらくそれが理由かもしれない。彼女は正義感や優しさの塊のようなものだ。あの少女を放っておくことはできないだろうから。
「…………」
〔……マスター、さっきの子のこと考えてる?〕
「別に……というか、何で急に不機嫌になるんだ?」
〔別に……〕
「別にって……とりあえず帰るか」
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