第3話 「新たな魔導師」
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ていたようだが、高町にはバリアジャケットが損傷していたくらいで傷はないに等しかった。そのため殺傷設定で攻撃されてはいないはずだ。俺が介入するほどの怪我はしていないだろう。
「…………」
魔導師はロストロギアに近づき、デバイスの中に収納した。すぐに立ち去るかと思ったが、視線を高町の方へと戻した。
「今度は手加減できないかもしれない……ジュエルシードは諦めて」
何を言っているのかは分からないが……状況から推測するに関わるなとでも言っているのかもしれない。
〔……ファラ、あいつは?〕
〔あの子のところに到着したみたいだよ〕
〔そうか……なら俺が手を貸す必要はないな〕
今は動物の姿をしているが、あの夢では少年の姿をしていた。体力や魔力も多少なりとも戻っているはずだから、高町が動けなかったとしても連れて帰るだろう。
「……あなたは何者ですか?」
「まずは自分から言うのがマナーだと思うが?」
ふざけるのはやめろと言わんばかりに漆黒のデバイスの矛先をこちらに向けられた。
先ほどまでは遠目でよく分からなかったが、魔導師は金髪をツインテールにまとめた少女だった。大人びた容姿をしているが、同年代か少し上といったところだろう。
「……単なる傍観者だよ」
「……ふざけないでください」
ふざけたつもりは全くないのだが……彼女からすればふざけているように見えてもおかしくないか。
「あなたはさっきの子の協力者ですか?」
「協力者なら助けに入ってると思うが?」
「……そうですね。では質問を変えます。あなたもジュエルシードを集めているのですか?」
集めているのであれば奪うといった意味を感じられる質問だな。集めていないといったところで、襲われる可能性は高いとは思うが、高町を全力で排除しようとしなかった彼女の性格に賭けてみるか。
「集めてはいない」
「なら、あなたの目的は何ですか?」
「ロストロギア……確かジュエルシードだったか。それを封印することだ」
「――っ」
少女はデバイスを変形させて鎌状にし構えた。それを見た瞬間にこちらも剣を構える。
先ほどまでよりも遥かに緊張感が高まっている。どうにか冷静さを保っているものの、実戦に対する恐怖を胸の奥のほうに感じる。
「それはジュエルシードを集めることと同義ではないのですか?」
「違うな。俺は街に被害を出したくないだけだ」
「……封印することが目的であって、ジュエルシードはどうでもいいと?」
「ああ。君とさっき戦った子が封印に失敗したときのために、俺はここにいただけだ。君だろうと、君と戦った子だろうと、封印してくれるのならば介入するつもりはない。もしも俺が先に見つけて封印した場合、君がほしいと言うのなら渡す」
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