第3話 「新たな魔導師」
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にダメージを負ったようで、骨のようなものがむき出しになっている。
「逃げる気か……」
場所を移そうとした瞬間、黒い影が虎の背後に現れた。手に持たれているデバイスが姿を変え、黄金の刃の鎌と化した。
「ジュエルシード……封印!」
次の瞬間には、謎の魔導師が黒虎を一刀両断した後だった。雷を彷彿させるような凄まじいスピードだ。
無事にロストロギアは封印されたようで、謎の魔導師の背後に浮遊している。
「……はっ」
謎の魔導師は首だけ動かした。見下ろしているようなので、俺ではなく高町の存在に意識を向けたようだ。ほんの数秒動きを止めた魔導師だったが、振り返ってロストロギアに近づく。
「ぁ……あの、待って!」
高町が声をかけたのか、魔導師は動きを止めた。高町の話を聞くつもりなのかと思ったが、デバイスの矛先を下方向に向けた。魔導師の周りに電気を帯びた魔力弾が生成されているあたり、高町に攻撃しようとしているのだろう。
ここからどう展開する……と頭を回転させたが、現実に起こったことは俺の予想外のことだった。高町が自分から魔導師に近づいていったのだ。
「あ、あの……あなたもそれ、ジュエルシードを探しているの?」
「それ以上近づかないで」
「いやあの……お話したいだけなの。あなたも魔法使いなの? とか。何でジュエルシードを? とか」
「…………!」
さらに近づいた高町に魔導師は容赦なく魔力弾を発射した。高町はそれを避けることには成功したが、すでに魔導師は次の行動に移っている。
「ふ……!」
高町の背後に回った魔導師は、再びデバイスを鎌状に変えて斬りかかった。高町は急上昇することでギリギリのタイミングだったが回避に成功した。
魔導師は上を見上げ、高速で接近していく。高町は避けるつもりはなかったようで、ふたりのデバイスが激しく衝突した。
「待って! ……私、戦うつもりなんてない!」
「だったら……私とジュエルシードに関わらないで」
「――ッ、そのジュエルシードはユーノくんが……!」
「っ……!」
魔導師は半ば強引に高町を吹き飛ばし、彼女が体勢を立て直している間に刃状の魔力を回転させて放った。
「く……」
高町は防御魔法を発動させた。
魔力弾と防御魔法が衝突し周囲に轟音を響かせた次の瞬間、魔力弾が爆ぜてさらなる轟音を響かせる。対防御魔法の魔法と言えそうな魔法だ。ダメージを負った高町は悲鳴を上げて落下していく。
「……ごめんね」
俺の勘違いがかもしれないが、落ちていく高町に魔導師が謝っているように見えた。魔導師は落下していく高町に魔力弾の追撃を放つ。
高町は行動不能に陥ったのか、空中に戻ってくる様子はない。魔導師の魔法は防御魔法を貫通し
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