第6章:女の決意・男の勘違い
第13話:知己激似
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(ロザリーヒル)
ホイミンSIDE
「シ、シンシア!? 生きてたんだねシンシア!!」(ドガッ!)
「何なんだ貴様は!? いきなり人の妻に襲いかかりやがって!」
人山の中から抜け出すと、綺麗な鎧を着たシンさんが吹き飛ばされたところだった。
事態について行けないボクは、一緒に人山から抜け出たライアン様と顔を見合わせながら呆然と眺めている。
「い、一体……何事でしょうかね?」
「わ、解らん……だがリュカ殿は『妻』と言ってなかったか?」
確かに言ってました……だからボクとライアン様はリュカさんへ視線を再度向けます。
そこには、大きな天蓋付きのベッドで金髪の女性の肩を抱き寄せている彼の姿が……
「あの金髪の女性がリュカさんの奥さんですかね?」
「………」
ライアン様に疑問を投げかけたのだけど、ライアン様は答えてくれませんでした。
思わずライアン様の顔を見ると、口を半分開け金髪の女性に見取れています。
……何でしょう? 何だか解らないですけど、何だか嫌です。
「や、やり過ぎだよリュカさん! 天空の鎧を着てなきゃシン君死んでるよ!!」
「あの鎧を着てるからやったんだ。手加減はしている!」
「あの子……何?」
ベッドの方ではリュカさんウルフさん、そして金髪の女性が大きな声で話をしてます。
ボクの視線を感じたライアン様は、慌てて視線を他に移しました。
やっぱりボクはライアン様に気に入られてないのでしょうか……?
「ごっめ〜んシン、生きてるぅ?」
リューノさんが壁に打ち付けられたシンさんに近寄り、何やら謝ってから手を引いて起き上がらせてます。
一体何を謝ってるのですかね?
「な、何? リューノちゃん……どういう事!? 彼女はシンシアじゃないのか?」
「うん。あの女性はビアンカさん……お父さんの奥さんよ。憶えてる、私が初めてシン達の前に現れた時、シンシアの事をビアンカさんだと勘違いしたわよね。あの後あんまり話題にならなかったから忘れてたけど、シンシアとビアンカさんはそっくりなのよ! 違いは耳かな……ビアンカさんは人間で、シンシアはエルフだからね」
「おいリューノ……そう言う大事な事は前もって言わなきゃダメだろう! 俺と再会して随分と時間は経ってるし、リュカさんと再会したって結構経つ!」
「だからごめ〜んって……色々事が盛り沢山で、みんなに報告するのを忘れてたのよ。ごめんちゃい(てへ?)」
「まぁ良いじゃない。取り敢えず問題は無くなったんだし……それに笑えたじゃん! 格好いい鎧を着込んだ伝説の勇者が、もの凄い勢いで吹っ飛ばされるシーンって(笑)」
ウルフさんのもう一人の彼女のマリーさんが、リューノさんに近付き笑いながら話をまとめ出す。
やっぱりリュカさんの血筋は厄介
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