イオリ・スーゼウィンド
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髪を掴み、引き揚げたままのマフラーを下げる。
「はぁ」
実のところ、ティアへの感情は前々からあった。
いつからだったか、など自分にも解らない。
初めて会って話した時は「何だコイツ」と思ったが、行動を共にするうちにその感情は変わり始めた。
「・・・あー、クソッ!」
常に無表情で冷静で冷淡で、時に冷酷な、本名も含め4つの名を持つ女問題児。
意地っ張りで、素直じゃなくて、時々素直になる曲者美少女。
文句を言いながらも乗り物に酔った自分の世話を焼き、他人に興味がないと言いながら時に誰かの為に動き、時に信念が他人と絡まって動く。
時々小さく変わる表情。口元を緩ませるだけの小さい笑み。
「うがーっ!」
くしゃ、が、ぐしゃに変わり、髪をかき乱す。
そして、はっきりと思いだした。
「そうだ、あん時!」
自分がティアを『単なる仲間』と見れなくなったのはいつだったか。
それを、しっかりとはっきりと思いだす。
――――――それは、2年前の、否、6年前の。
―――――2年前でもあり、6年前でもあった時の事だった。
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