イオリ・スーゼウィンド
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真っ赤になる。
慌ててルーの方を向くが、当の本人は頬すらも染めず、いつも通りにニコニコ微笑むだけ。
そのままギルドの資料置場へと向かっていった。
「ルーシィ、何1人で赤くなってるの?不気味だよ」
「う、うるさいネコ!」
いつも通りハッピーにツッコみを入れ、ナツに目を向ける。
やっぱり不機嫌なようで、いつもなら早く食べ終わるファイアパスタがまだ皿に多く残っていた。
「ナツ、ティアに謝りに行きなさいよ」
「何で」
「話を聞く限りじゃ、明らかにナツが悪いじゃない」
「俺は、別に・・・」
ふてくされたまま呟くナツに溜息をつき、ルーシィは更に言う。
「アンタこのままじゃ、本格的にティアに嫌われるわよ」
「っ!」
その瞬間、ナツがピクッと反応した。
体を起こし、その手からフォークをカランと落とす。
「・・・何でそんなに反応するのよ?」
予想外の反応にルーシィも驚愕する。
「別にアイツに嫌われたっていい」とかの答えが返ってくると思っていたのだ。
が、返ってきたのは全く違う反応。
「わーってるよ・・・」
飼い主に捨てられた犬のようにしゅんと落ち込み、いつも元気で熱いナツからは想像できない程にその燃えたぎる炎は消えている。
ティアに嫌われる―――その言葉がどうしてナツにここまでのショックを与えるのか。
それは誰にも解らない。
「ん・・・やけに静かだな」
すると、来てからずっと寝ていたヴィーテルシアが目を覚ます。
きょろきょろと辺りを見回し、首を傾げた。
「ティアはどこに行った?匂いがしないぞ」
「ちょっとね」
「・・・探してくる」
相棒を探す狼は、ギルドの外へと出かけていく。
歩く度に、首に付けたギルドの紋章型チャームが揺れる。
ティアのお手製らしい。本人もかなり気に入っているようだ。
「てかナツ。アンタ、もしかして・・・」
「!」
ヴィーテルシアの後ろ姿を見送り、ルーシィが口を開く。
気づけば、グレイやエルザ達ギルドメンバーもルーシィと同じ事を聞こうとしていた。
代表して、ルーシィが聞く。
「ティアの事、好きなの?」
「!?」
ナツがぎょっと目を見開く。
そして、わたわたと慌てだした。
「な、なな何でそうなるんだよ!?ん、んな訳ねーだろ!?」
「怪しー」
ルーがたこ焼きのソースと青のり、マヨネーズの付いたくしの先をナツに向ける。
ナツは赤くなった頬を隠すようにマフラーを引き上げ、先ほどのように腕に顔を埋めた。
と、そこにヴィーテルシアが帰ってくる。
「なぁ」
「どうした?ヴィーテルシア」
「ティアがいたんだが、様子がおかしいんだ」
「様子がおかしい?」
「む」と頷き、困ったように首を傾げ
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