イオリ・スーゼウィンド
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を操る魔導士だったんだ」
「あい。いい人だったよ。よくオイラに魚くれたし」
昔を懐かしむように、ルーとハッピーが呟く。
そんな中、ルーシィは違和感に気づいた。
「ねぇ、あたしイオリって人に会った事ないんだけど・・・長期の仕事に出てるの?」
そこまで言って、気づいた。
『妖精の尻尾の魔導士『だった』人でね』
『水を操る魔導士『だった』んだ』
『いい人『だった』よ』
ルーの言葉もハッピーの言葉も、全てが『過去形』。
「・・・イオリはね」
少し悲しみを含んだ声で、ルーが呟く。
「2年前に大きな仕事を終えてすぐ・・・死んだんだ」
言葉を失った。
「大きな仕事、って言っても、ナツとかグレイレベルなら普通にこなせるくらいの仕事だった。でも・・・イオリが帰ってきた時、戦争から帰ってきたみたいに、傷だらけで・・・当時の僕じゃ、あんなに大きな傷は治せなかった」
しんみりと、過去を懐かしむようにルーが言う。
「イオリはね。ティアの師匠みたいな人だったんだ」
「師匠?」
「うん。最初はこのギルドで水を扱う人は少ないからってイオリが勝手にティアを弟子みたく思ってたんだけどね。しばらくしてからは、ティアもイオリになら、少しだけど感情を見せてたんだよ」
「そうなんだ・・・」
写真に写るイオリを見つめ、ルーシィは沈黙する。
暖かい髪色。優しく、それでいて強さを感じる光を映した目。髪の毛を高めの位置でポニーテールにし、動きやすそうな服に身を包んでいた。
ルーシィより年上なのだろうが、どこか幼さを感じさせる。それでいて、大人びた雰囲気を持つ。
写真越しに見ても、不思議な雰囲気の女性だ。
「仕事は勿論出来るし、優しさと厳しさを両方いいバランスでもっている人だったんだ。時々子供っぽくって、でも大人びてもいて・・・怒り方がね、頬を膨らませて腕と脚を組むっていう、いかにも子供っぽい仕草なんだ。頭もよくて、なんて言うんだっけそういうの・・・才色兼備?」
「あい。1度会った人の事は細かい事まで覚えてる、凄い記憶力の持ち主だったよね。それで大食いで、確かラーメンが好きだったんだよ」
「うん。凄い美人だったよね。よくいろんな男の人が言いよって来てたし。全部ティアが殺気放出で追い払ってたけど」
そんな会話をしながら、ルーはアルバムを閉じる。
「それじゃ、僕アルバム戻してくるね」
そう言って、立ち上がる。
アルバムを握りしめ、すれ違うと同時にルーシィに囁く。
「・・・まぁ、僕からしたら、ルーシィの方が美人だと思うけどね?」
さらりと発せられた言葉に、純情なルーシィは
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