イオリ・スーゼウィンド
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は厳禁で、熱いものが大好きだ。
逆にティアは水を操る。
お湯と水は違い、怒りすぎない限りはティアが扱うのは基本冷水だ。
その為体温は並より低く、熱いものは苦手、冷たいものを好んでいる。
「いいから行こうって」
「嫌だって言ってるでしょ?何でわざわざ嫌いな場所に自分から行かないといけないのよ」
「んだよ。ヒマそーにしてっから誘ってやったってのに」
「誘ってなんて頼んでないし」
ピク、とナツの眉が上がる。
「何だよその言い方!俺だってオメェと好んで仕事なんか行きたくねーっつーの!」
「だったら私を誘わなきゃいいでしょ。適当に暑いのに強そうな奴連れていけばいいじゃない」
「ぐっ・・・そ、それは・・・」
「アルカは今日ミラと出かけるって言ってたし・・・いつも通りルーシィとハッピーと行けばいいでしょ」
冷たく言い放つティアに、ナツの怒りが燃え上がる。
「前々から思ってたけど、お前ホント可愛くねーな!そんなんだから誰も寄り付かねーんじゃねーの!?」
「別に。可愛くなくて結構よ。可愛いだけで生きていけるなら、話は別だけどね」
更に怒りが燃え上がり、ビシッと指を突き付ける。
「あーそうかよ!ったくよォ、イオリもめんどくせーの押しつけやがって」
その瞬間。
ティアが小さく反応を示した。
「アイツが『あんな事』さえ言わなきゃ、俺だってオメェと関わったりしねーっての!俺はイオリの頼みを聞いてやってるだけで・・・」
「・・・カ」
「あ?」
今までナツの言葉を全て綺麗に避けていっていたティアが。
「イオリ」の名が出た瞬間―――叫ぶ。
「バカナツの・・・バカぁーーーーーーっ!」
そして、今に至る。
「なるほどね・・・結局はナツが悪いんじゃない」
「あい、その通りです」
話を聞き終わったルーシィがナツに目を向ける。
相変わらずナツは不機嫌そうにしており、ファイアパスタをフォークにクルクルと巻いていた。
・・・巻いている量が、明らかに普通より多いが。
「でもまぁ・・・ナツも解ってるはずなのにね。イオリの名前を出したらどうなるか」
「ねぇ、ルー。その『イオリ』って誰なの?」
「あ、ルーシィは知らなかったね」
薄く笑みを浮かべると、一旦ギルドの資料置場に姿を消し、1冊のアルバムを持って戻ってきた。
「えっとね・・・あ、これがいいかな」
しばらくページを捲っていたルーは、とあるページの1枚の写真を指さす。
アルバムに張られたその写真には、春を思わせる暖かい髪色をした、優しそうな女性が映っていた。
「この人がイオリ。フルネームはイオリ・スーゼウィンド。妖精の尻尾の魔導士だった人でね。水
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