暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十八話:ひとときの平和な風景
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料理と食器を並べます。


『もう、いいの?それじゃ、いただきまーす!あっ!これ、あのときの!』
「うん、モモのためにヘンリーが作ってくれたんだよ!良かったね、モモ!」
『うん!嬉しい!ありがとう、ヘンリーさん!』
「ヘンリー、ありがとうって」
「ああ。味見はしたから、大丈夫だとは思うんだが」
『うん!とってもおいしい!あのとき食べた味とおんなじで、でももっとおいしいみたい!』
「あのときより美味しいって」

 ヘンリーが屋台の味を再現した串焼きを食べて、モモが喉を鳴らして感動していますが。

 再現するどころか上位互換に仕上げてくるとは、どこまで素人離れしてるんだこのイケメンは。

 そんなことを思いつつ、もう一つの肉料理を運んできて切り分けるヘンリーの手元に目をやって、思わず声を上げます。

「あっ、それ!私の好きなヤツ!」

 ヘンリーが作るもので好きじゃないヤツとかむしろ無いんですが、中でも特に気に入ってる一品が!
 鶏に炒めた野菜やキノコなんかの詰め物をして、表面はパリパリに、中はふっくらと焼き上げて、切り分けた後に特製のソースをかけていただくアレが!
 お肉の焼き加減が絶妙で、色んな味がするのに口の中で全てが調和する、絶品ローストチキンが!!
 こんな野外でお目にかかれるとは!!

 がっつり食い付いた私に、ヘンリーが微笑んで答えます。

「久しぶりだからな。お前が好きなのにした。勝手が違うから、上手くいったかな」

 なんということだ、ガッチリ胃袋を掴まれている!
 そんなこと言いながらきっちり仕上げてきてるに決まってるんだ、このイケメンは!

 でもいいや、美味しいは正義です!!

「ありがとう、ヘンリー!今日のも、すごく美味しそう!」

 完全に思うツボに嵌まって満面の笑みで喜びを表す私に、またヘンリーも嬉しそうに微笑み返しながら、切り分けた料理を渡してくれます。

 全員に行き渡るのを待って、一口分に手元でさらに切り分けて。
 口に運ぶと、広がる肉や野菜の芳醇な薫り。
 噛み締めると、さらに広がるジューシーな肉汁と、食材の織り成す調和(ハーモニー)

 ああ、口の中が幸せ……!!

 物理的にも精神的にも幸せを噛み締めてニヤける私に、またヘンリーが声をかけてきます。

「ドーラのスープも、久しぶりだな。これは自分じゃ出来ないんだよな、何故か」
「またまたー。上手いんだからー」

 幸せな気分のままに、軽く返しますが。

 この玄人はだしなヘンリーが、やってできないことは無いと思うんですけれども。
 でもまあ、これだけ手の込んだ美味しいものが作れるなら、無理にこっち側に手を出す必要も無いだろう。

 一心にお肉に食い付いていたモモも、
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