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鉄槌と清風
28部分:27:新しい旅へ
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 その場に居ない良彦は、その上空で騎士甲冑姿、手には青く光る頭くらいの大きさの球体をもって、そのようすを見下ろしている。
 桃色と金色、白色の魔法陣が輝きを放つなか…其処を目指し進んでくる影が一つ…丘の上、しかも地面は雪で真っ白な其処を車椅子で駆けつけるはやて。

 段差にタイヤを取られたのか転倒しつつ、リインフォースに近づく…駆け出そうとする守護騎士をリインフォースが留め…はやての前でひざまずく。
 数言、おそらく別れと感謝の言葉を延べたであろう後で、リインフォースは中央に戻り。
 レイジングハートとバルディッシュのコアが、数度光りを放ち…リインフォースは光りの粒へと姿を変え、天に立ち上る…少し後ではやての前に落ちてくるちいさな剣十字のペンダント。
 それをしっかりと受け止め、はやてのリインフォースを呼ぶ声が辺りに響く。

 「ほれみろ…そっちに無くてもこっちにはあるじゃないか」

 その叫びを聞き、呟くように言った良彦が、左手に青い球体を捧げ持ち…詩の様に呪を唱える。

 『永久(とこしえ)に流れる風よ、魂を癒す流れよ、その流れで清められし魂よ、魂の記憶よ、今此処に集え…その魂の名は…祝福の風…リインフォース』
 
 一文節毎に二発のカートリッジが使われ、右手で忙しく再装填しながら、全てを唱えきる。
 良彦の周りを優しく風が舞う、それにあわせるように雪も一緒に舞い踊り、其処へ青い魔力光が広がって行き…ゆっくりと収束、手にささげ持っていた青い球体へと吸い込まれていく。
 しばらく、目を瞑っていた良彦が満足げに頷き、上空から姿を消した。



 夜が明けてクリスマス当日、昨日の事や魔法に関することでアリサやすずかに説明をするというのは、なのは、フェイト、はやて、良彦、全員一致で同意した。
 また、なのはは夜に高町家の人とも話をするらしい…当然のように良彦も一緒らしいが。
 と、いうわけで…アリサ、すずかがクリスマス会をすると言うので説明はその時という事にして、まずはやてを迎えに病院へ。

 流石に今回は良彦もバスだ…走るっていったら、なのはとフェイトが今日くらいは、と止めたのだ。
 仕方なくバスに乗ってる良彦…椅子に座らずよく見ると踵が浮いてるのはきっときのせいだろう。

 病室に行くと私服姿で車椅子に乗るはやてがいた。

 「あれ、もう退院なの?」

 「ちゃうよー、今日は外出許可もろてん、もう暫く入院患者さんやな」

 「そっか、パーティの為だね」

 「そういうことや」

 なのはの問いに答えフェイトに微笑を返すはやての胸には、剣十字のペンダント。

 「それ…リインフォースの?」

 「せや、新しいデバイスをこの子に組み込んでもらおうとおもってん」

 「はや
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