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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第216話】
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真っ赤な顔のまま、見られないように窓側へと顔を背ける理央。

 そんな理央の声に、気になったのかちらほらと此方を見る女子一団――変な噂しなきゃいいんだが。

 また素麺を食べ始めるや、見ていた女の子達も元の話に戻っていった様で一安心すると――。


「な、なあヒルト」

「ん? ……どうした?」

「あ……いや……。 その……だな。 ……いきなり何だけどさ、お前……結構頑張ってるよな?」

「ん? ……何を?」


 唐突な頑張ってるよなという言葉に、疑問符を浮かべていると――。


「……ISの勉強だよ。 さっきだって模擬戦してたって言ってたじゃん」
「……あぁ。 今回の模擬戦は先輩のデータ収集の手伝いだよ。 でも、感覚忘れそうになってたからちょっと助かったりもしてるがな」

「……そっか。 ……でも普通さ、夏休みっていったら夏を満喫するだろ? 代表候補生達で専用機持ちのセシリア達は装備のテストとかあるけど。 ヒルトは代表候補生じゃないし、もっと遊んでると思ったんだけど頑張ってるからさ……」

「……言うほど頑張ったかと言われたら、まだまだだとしか言えないがな、俺は」


 ちゅるっと山盛りの素麺を平らげると、コップに水を入れてゆっくり飲み――。


「……いや、頑張ってるよお前。 ……最初はさ、俺もお前が最初にセシリアに啖呵切ったときは結構馬鹿にしてたんだぜ? ……それに、案の定ISの扱いどころか歩行すらままならないお前を見て、正直あんな見栄を切ってこのザマかよって……馬鹿にしてた」

「……まあ確かに歩行すら出来ずに転けてばっかりだったからな、当初は」


 四月の美冬との特訓を思い出すと、今でも少し恥ずかしくなる。

 ……結構惨めだったからな……歩く事すら出来ずに、転けては打鉄に小さな傷が出来てたし。

 ……それで怒られたのも今になって思えばいい思い出だが。

 そんな風に考えてる中、更に言葉を続ける理央は――。


「その次の日さ、アリーナに見学に来た子は誰も居なかったけど……俺は見てたんだぜ? ……まあ興味本意なだけだったんだけどな」

「そうなのか? ……ははっ、見られてたってなると恥ずかしくなるな、やっぱり」


 頬に熱を帯びるのを感じた俺は、視線を窓側に移して指で頬をかいた。

 窓から見える景色は一面海で、さっきまで雨が降っていたせいもあり、波が少し荒いように感じた。

 そんな俺には構わずに、更に言葉を続ける理央。


「……正直さ、俺も歩行なんてって馬鹿にしてたけど……。 実際やってみたら大変だったんだよな。 ほら、俺や皆は最初は飛行訓練から入っての基礎復習で六月に何度かやっただろ? ……飛行はPIC制御で訓練無しでも
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