暁 〜小説投稿サイト〜
lineage もうひとつの物語
オーレン戦役
アイスクイーン
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
オーレン地方
この地はエルモア王国との国境であり村の東側と国境である山脈に戦争の傷跡が多く残る地である。
今現在も朽ち果てた砦やエルモア兵の亡骸や使っていたと思われる武器が残されている状態だ。
灼熱の火山地帯と隣り合っているのにもかかわらず一年中雪で覆われており火山地帯から来た旅人はその光景に驚くだろう。
その一年中降り続く雪はこの地に住まうアイスクイーンによってもたらされているのだ。
彼女は古き時代からこの地に住まい火山からの熱を嫌い降雪地帯へと変えている。
象牙の搭の魔法学問は彼女がもたらしたものであり本来の名前ではなく人々は敬愛を込めてアイスクイーンと呼ぶなど両者の関係は良好だといえるだろう。

そして今、象牙の搭にて豊かに髭を蓄え穏和な雰囲気をもつ学長であるタラスとアイスクイーンが向き合っていた。

「今の封印では限界があるのではないか?力が弱まっているのが外からでもわかったが」

アイスクイーンはタラスにそう問い

「たしかにその通りです。あれから封印術が日増に弱まっています。ウィザード達の負担も大きくこのままでは遅かれ早かれ破られるのは間違いありません」

深刻な面持ちで答えるタラス。

「4階から8階までという広範囲だからだろうね。ただでさえ空間封印術は魔力を消耗するんだ。1フロアだけならそこまでの負担はないだろうに。」

「デーモン出現と同時に4階から上が汚染されましてやむを得ずといったところなのです。」

「しかたないな」アイスクイーンはそう呟き思考する。

「やはり下層から制圧し封印するフロアを減らしていくしか方法はないだろうね」

「やはりそうですか」とタラスは残念そうに告げる。


「私では封印術の手伝いができないし、デーモンとやり合うのはかまわないがオーレン地方が荒野と化してしまうだろう。」

封印術は人間以外の者を封じ込めるものであるためアイスクイーンが侵入することはできない。
かといって封印術の手伝いを直接実施すればデーモンの封印を弱めることになる可能性がある。アイスクイーンの魔力はどちらかといえばデーモン寄りの性質をもつため迂闊に手を出せない。
もし封印が切れれば直接対決をするつもりではあるが最悪の事態は避けたい。
今アイスクイーンにできることといえばウィザード達に魔力を提供し回復を早めるくらいだ。
実際魔力提供の打診をするためタラスを訪問している。

「とりあえず私が術式に携わる者たちへ魔力を提供しよう。それでも彼らの負担は変わらないが」

「感謝します。早速ですがお願いできますか」

アイスクイーンは頷きタラスと共に部屋を後にした。



その後魔力の受け渡しが終わったアイスクイーンとタラスはフロア制圧のための作戦を練った。
アイス
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ