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IFのレギオス そのまたIF
糸括り 凪
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撃する際だろう。故に汚染獣に気づかれぬよう小音仕様になっているのだがそれを知らぬのだろう。
 
「おい、遊ぶなら後にしろ」
「やー。つまんない」
「ワガママを言うな。母親に言うぞ」
 
 その言葉にレイフォンは手を止める。何も言わないところを見ると効果的だったようだが不満げな表情を隠そうともしない。
 もうひと押しすれば行けるのはわかる。だが続く言葉は言えなかった。
 ここで押し切ったとしても変わらないだろう。無理矢理にさせた。その結果が残り次回以降変わりもしない。その場しのぎだ。次も同じやりとりを、など面倒だ。
 苦労と徒労は違う。解決策の見えぬまま推し進めるならこれは単なる徒労の繰り返しになる。
 
 将来のため。武芸者ならば。少しでも早いほうが。才能があるから。
 そんな大義名分や理由は大人側の、社会としての視点。事実としてそうであっても子供は納得はしない。
 何か、何か感心を作らねば子供の本意がずれる。
 理由のために本意を投じ、過程のために結果を求める。そんな逆転がおこるやもしれぬ。
 誰かを助けるために高めた腕。それ故のやむ得ぬ戦場。
 それが、腕を振るうための――

「……」

 何を。
 一瞬の思案。目に入ったのはレイフォンの持つ玩具。
 浮かぶ考え。やらぬよりはいいだろうと、小さく呟く。

「レストレーション」

 復元された手袋を被せた手は動かさず、意識の中、伸ばした幾千幾万幾億の三本目の手を動かし糸を操る。
 目に見えぬ微細な糸は意思の元で撚り合わされ、一つの形をなしていく。
 大は小を兼ねる。数え切れぬ程の糸の集合体は緻密に重なり合い、目に見えるほどの大きさとなり姿を表す。

「すげー」

 現れたのは原寸代よりもふた回りほど小さいランドローラーだ。もっとも鋼糸によるものである以上全くの別物で、色も一色。鈍い蒼の金属光沢を放っている。
 原型の記憶は脳内にはロクになく、モデルがデフォルメされた玩具なので細部は甘いがまあ子供相手には問題ないだろう。
 レイフォンは不満から一転、瞳を輝かせている。それに合わせるよう、腰を下ろして語りかける。

「鋼糸を習い極めれば……ああいや、凄く上手くなればこういう事も出来る。そしてそのためには活剄をもとにした剄の扱いが必要だ。剄を通して体の一部としなくてはならん。レイフォン、お前もこれ、出来るようになりたいだろう」
「うん!」

 出会ってから最高の元気良さでレイフォンが頷く。現金な子供である。

「そうか。だがな、その為にはこの間の呼吸が必要だ。あれを頑張ればいずれ出来るようになる。やるか?」
「やるー!」

 元気にレイフォンが言う。
 もっとも、そのいずれは少なくとも数年後なのだが言う必要はない。剄息が地盤
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