第159話 『謎』
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フィオーレ王国の首都だからな。ユモは初めて見る物がたくさんあったみたいで、立ち止まってはいろんな物に目を輝かせていた。いつの間にか俺はユモについて行ってるだけになっていた。まっ、ユモが楽しんでるならそれでいっか。そんな事を思っていると、またユモが立ち止まった。
グ「今度は何見つけ・・・お、おい、ユモ?」
ユモの顔を覗くと、さっきまで輝かせていた澄んだ青い瞳は、恐怖に怯えていた。ユモの唇と手先が微かに震えていた。ユモは青い瞳を見開き、目の前のあるものに釘付けになっていた。俺もユモが見ている方に視線を移した。その瞬間、俺も釘付けになった。俺とユモから10mくらい離れたところに、俺とユモと同じように、目を見開いて俺たちの方を見てる2人の男女がいた。1人は黒髪に緑色の瞳、青と白のトレーナーにカーキ色のジーパン姿の男と、腰近くまである長い薄紫色の髪の毛に黒い瞳、白いローブを羽織っている女が俺とユモを見て目を見開いていた。
ユ「イ・・イレー、ネ・・・」
イ「ユ、ユモス・・・」
グ「ハルト・・・」
ハ「グ・・グレイ・・・」
やっと言えたのがこれだった。俺とユモの目の前にいるのは、以前ユモに恨みがあり殺そうとしたハルトとイレーネだった。ハルトとイレーネは顔を見合わせると、風のように走り去って行った。俺とユモはしばらくその場から動く事が出来なかった。
グ「!おいユモ!しっかりしろっ!!」
俺は我に返り、ユモの肩を?んで上下に揺すった。ユモもやっと我に返って、2〜3回瞬きした。
グ「だ、大丈夫、か・・・?」
ユ「う、うん。何と、か・・・」
全然大丈夫そうには見えなかった。
ユ「・・・ゴメン、何か、気分悪くなった、から・・私、宿に、戻るね。」
グ「あぁ。・・送るよ。」
ユ「ありがとう。」
ユモは宿に向かうまで、ずっと右手で額を押さえていた。その時、誰かの視線を感じた。俺はとっさにユモの前に立つ。
ユ「・・グ、グレイ?」
ハルトとイレーネかっ!?そう思ったが、辺りを見回しても2人の姿はどこにもない。それどころか、視線をこっちに向けてる奴もいなかった。・・・気のせいか。
ユ「グレイ?どうしたの・・・?」
グ「いや、何でもねぇ。宿に行こうぜ。」
ユ「うん。ゴメンね・・・」
俺はもう一度後ろを振り返る。建物の陰からハルトとイレーネの靴の先だけが見えた。
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『ここからエルザ目線でいきます。』
なぜ、去年より出場するギルドの数が半分以下にまで減少
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