反董卓の章
第16話 「大丈夫――行ってくるよ」
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音で声を上げる。
「なんじゃ、穏。お主は不満なのか?」
「ふ、不満じゃないですけどぉ……甘寧さんの副将って疲れるんですよぅ。黄蓋様の副将なら本を読んでいても務まるぐらいなんですけどぉ……」
「………………」
「お主に本を読まれるぐらいならば、儂は一人でええわい」
……まったく。
「二人共、遊びで蓮華の元からこっちにきたわけじゃないんでしょ? ちゃんと実戦経験積まなきゃダメじゃない」
「………………」
「………………」
な、なによ、興覇に伯言。
二人してなんでわたしをまじまじと見るのよ。
「……すみません。その、意外でして」
「私もです〜まさか伯符様にそんな真面目な事言われるとは〜」
「あ、あんたたちね……言ってくれるじゃない」
あんたたちがわたしを普段どう見ているか、よぉ〜くわかったわ!
「……普段の行いが行いだからの」
「……否定はできませぬな」
「二人共、聞こえているわよ!」
祭に冥琳まで……い〜わよ、い〜わよ!
そんなこと言うなら……
「あ〜そうですか! そんなに言うなら私が出てやろうじゃない。なによ、たまにはちゃんと王らしきことしようとすればこんなんなら、わたしが全部やってくる……」
「幼平、止めよ」
「はっ! 伯符様! すいません、落ち着いて下さい!」
いきなり後ろに現れて私を羽交い締めにする周泰。
「ちょっと幼平! あなたどこにいたのよ、離しなさい!」
「ごめんなさい! 黄蓋様と周喩様から無茶して出ようとしたら気絶させてでも止めろと言われています」
「あなた、王の命令と祭や冥琳の命令とどっちを優先する気!?」
「そ、そう言われたら孫権様からも許可出ていると言えと言われています〜」
「う、うらぎりものぉ〜!」
ちょっ、この……さすが明命ね、本当に動けないわ。
「はあ……よくやった幼平。では――」
「で、伝令! て、敵が動き始めました!」
「くっ……敵もどうして打つ手が早い! 祭殿!」
「わかっておる。敵の先端に弓で斉射! しかるのちに思春の槍隊で押し返せ! ゆくぞ!」
「御意!」
二人がそれぞれの部隊を率いるため駆け出してゆく。
「しかたない。穏は本陣で待機。雪蓮、興覇が足止めしているうちに……」
「わかっているわ。横槍入れるのね。幼平もついてらっしゃい」
「え? あれ?」
私は瞬時に明命の腕から抜け出すと兵を纏める。
「い、いつの間に……」
「本気の雪蓮なら貴女でも取り押さえるのは無理よ。それより、貴女も雪蓮の補佐に付きなさい、幼平」
「周喩様……ぎょ、御意!」
くす……よくわかっているじゃない、冥琳。
まだまだわたしだって次の世代に負けるわけにはいかないんだから
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