反董卓の章
第16話 「大丈夫――行ってくるよ」
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その細作、随分と慌てておるな。
「はっ……は。こ、虎牢関は……開門しています」
「え?」
「そして虎牢関の前面には……董卓軍、およそ十万の軍勢が野戦の体にて、待ち構えています」
「……え?」
「七乃?」
どういうことじゃ?
やせんのてい、ってなんのことじゃ?
門が開門しておるなら、さっさと洛陽に向かってしまえばよいではないか。
「……美羽様。どうしましょう」
「なにがじゃ? 門が開いておるなら通ればよかろ?」
「……その前に董卓軍が一杯いるそうですよ」
「なら孫策に倒させればよかろ? そのつもりだったのじゃろ?」
「ええと……て、適当に虎牢関攻めたら難癖つけて、さっさと後ろに下がるつもりだったのですけど……」
「なら、そうすればいいじゃろ……それより妾ははちみつ水が飲みたいのじゃ。だれか、はちみつ水を持ってくるのじゃ!」
「え、ええぇ……」
はちみつ水を早く飲みたいのじゃ!
―― 孫策 side ――
「ざまあみなさい」
「? 雪蓮、なんのことだ」
私の言葉に首を傾げる冥琳。
「袁術と張勲よ。どうせ虎牢関を攻め始めたら、すぐに私達に任せて後ろに下がるつもりだったんでしょ。けれど、相手が野戦する気まんまんだから下がるに下がれないだろうなーて思ってね」
「ああ……なるほど、確かに。だが、我々にとっても危機ではあるのだぞ」
「わかってるわよ、そんなの」
左翼側を引き受けると袁術には言ったけど、こちらは五千しかいない。
袁術軍の一万五千は張勲が率いるとしているから……こちらには兵を貸さないつもりのようね。
参ったわね……さすがに十万全部が来るわけじゃないとはいえ、数万はこちらに向かってくるでしょうし……
「……やむをえんな。すぐに中曲にいる劉備に援軍を。こちらと共同で動いてもらわねば」
「あら。もう盾二に助けを求めるの?」
「戦力差は絶望的だ。我らだけでどうこうできる数ではない。向こうが動き始める前に敵の当たりを受け止めるだけの人数がいなければ包囲殲滅されるだけだ」
冥琳の言うとおりね。
攻城戦ならともかく、虎牢関前の荒野は十万以上がぶつかりあっても余裕があるほどに広い。
そんな状況では、普通に人数に劣るほうが脆くなる。
向こうがこちらに来るとしたら少なくとも三万は固い。
となれば後方の盾二達に頼る他は、わたしたちが生き残るすべはない。
「北郷たちが合流するまではこちらで耐えるしかないが……祭殿!」
「うむ……わしの弓隊を交差陣形で遅滞行動させる。槍隊は思春と穏に任せて押し返そう。よいな、思春、穏!」
「御意!」
「え〜私がですかぁ〜?」
祭の傍にいた甘寧と陸遜が異口同
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