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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第16話 「大丈夫――行ってくるよ」
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しれん。

「気をつける、か。まあええわ。お互い、何としても時間を稼がなあかん。派手に暴れる……張文遠、最後の大舞台や。派手に死に花咲かせたるわ」

 華雄、向こうで酒でも用意して待っといてくれ。
 ウチラもすぐに逝くからな。

「(ふるふる)……霞、死ぬの、よくない」
「? 恋……?」
「戦って、生きる。それがいい」
「せやかて……戦力差は同数とはいえ、向こうは精強。こっちは背水とはいえ、将の数も限られる烏合の衆やで? その上、賈駆っちの命令は事実上の死守命令や。生き残るほうが難しいで」
「(ふるふる)死に花咲いても、誰も喜ばない……けど、生きていれば、誰かは喜ぶ」
「……誰がや」
「……恋が」

 は?

 ……
 …………
 ………………くくっ!

「あっはっはっはっは! そか! 恋はウチが生き残ったら嬉しいんか!」
「(こくん)……そう。恋、嬉しい。けど、多分月も喜ぶ」
「あはははは……そか。せやな……ウチら死んだら、月が泣くな。そらあかんわ」
「……ん」

 せや……せやな。
 泣いてくれる誰かが居るうちは、死ぬ覚悟で戦うのはアカンな。

 なら……精一杯生き抜いて、それから華雄に会いに行くか!

「ふふっ……恋は、ほんまかわいいわ。お互い、生きて月に逢おうな」
「うん……簡単。恋強い、霞も強い。たくさん倒す……だから、大丈夫」
「……ありがとな、ほんまに。なら、そろそろいこか」
「……(コクッ)」

 


 ―― 袁術 side ――




「む〜なんで妾達が先陣なのじゃ? そんな面倒なことは孫策にまかせておけばよいじゃろうに」
「も〜美羽様ったら、いつまでもぐじぐじと、このわがままぶりっこさんめっ♪ かわいくて大好きですよ♪」

 え? かわいい?
 当然じゃ! けど……ぐじぐじってなんじゃ?

「うわははは。そうじゃろそうじゃろ。妾はかわいいのじゃ! それで、『ぐじぐじ』てなんなのじゃ?」
「偉いって意味です。でも美羽様、今回先陣を引受けないと、いいところ全部袁紹さんに持ってかれますよ? 周囲は美羽様を影うすーいって思うちゃうかもしれません」
「なぬっ!? そ、それは嫌なのじゃ! あの妾の子の麗羽より目立たないなんて、許せないのじゃ!」
「だったらがんばりましょーねぇ? 大丈夫ですよ、孫策さんが頑張って虎牢関を落としてくれますし、いざとなったら後ろの曹操さんや劉備って人に任せちゃえばいいんですから」」
「うむむ……し、仕方ないのじゃ! ならさっさと虎牢関など落としてしまうのじゃ」

 麗羽にだけは負けたくないのじゃ!

「そう簡単には行かないと思いますけど……あ、細作が戻ってきましたね。どうでしたか、虎牢関は」

 む?
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