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青い目のハイスクールクイーン
第一章
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「何だ?」
「あの娘この学校っていうか日本に来たばかりだったよな」
「ああ」
 俺はその言葉に頷く。
「そうだよ。こっちに来て一週間」
「日本語喋れるのか?」
 実はあの娘はアメリカ人。髪の毛は金色で目は青。鼻は高くて色も白い。そばかすが少し目立つ如何にもといった感じのアメリカ人だった。おまけに背も高くて身体つきも他の日本人の女の子とは全然違う。だから俺も今目がいってるってわけだ。
「どうなんだ?」
「そういえば」
  俺はふとそれに気付いた。
「どうなのかな」
「どうなのかなって御前」
 ヒゲが呆れた声をかけてきた。
「確かめてねえのかよ」
「どうなのかな」
「ってわからねえのか?」
 チビがそれに問う。
「まだ調べてないのかよ」
「ああ」
 少し困った顔で答えた。
「どうなのかな、そこんとこは」
「まあよ」
 たまりかねた感じでリーダーが言ってきた。
「一度声をかけてみろ。いいな」
「わかったよ。じゃあやってみる」
「けれどさ」
 弟も声をかけてきた。
「あれでしょ、やっぱり」
「英語か」
「相手がアメリカ人でしょ?やっぱり」
「そうだよなあ」
 俺はここで腕を組んだ。ついつい難しい顔になってしまう。
「けれどなあ」
「御前英語の成績どうなの?」
 白が俺に尋ねてきた。
「大丈夫なの?」
「いや、全然」
 俺はその言葉に首を横に振って言った。
「この前は赤点すれすれだったんだよ。っていうかいつも」
「駄目じゃねえか、それって」
 リーダーは俺の今の言葉を聞いて顔を顰めさせてきた。
「どうするんだよ、手紙書くか?」
「それもいいよな」
 俺はリーダーの言葉を聞いて腕を組みながら言った。
「書いてみるか?」
「いや、それだけじゃ駄目だな」
 チビもリーダーと同じ意見のようだった。
「言葉でもな」
「言ってみるって?」
「当たり前だろ、今時手紙だけでどうにかなるかよ」
 思いきりそう言い返されてしまった。
「やっぱりあれだよ。言葉でも言わないとな」
「そうか」
「勉強するしかないな」
 ノッポが言う。
「声をかけるんならな」
「わかったよ」
 俺はその言葉に憮然として答えた。
「それだったら」
「ああ、悪いけれどな」
「俺も」
 皆態度が急に冷たくなった。手の平を返すって言葉そのままに。
「英語苦手だから」
「一人で頑張ってくれよ」
「おい、皆かよ」
 皆のその態度に思わず突っ込みを入れてしまった。入れずにはいられなかった。
「俺だって英語苦手だからな」
「悪いな」
「ちぇっ」
 皆の言葉に憮然として首も傾げて舌打ちする。俺はかなり困った状況に追い込まれてしまった。

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