Introduction
第十四話 殺意
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は助かる。……ただ単に興味がないだけかもしれないけど。
楯無さんは……、医務室に運ばれたときのお姫様抱っこの件でずっと僕を弄ってくれた。
あれ? 僕の味方ってどこにいるんだろう。おかしいな、いつもより味噌汁がしょっぱい気がする……。
その後も僕の表情はころころ変わっていたようで、三人に呆れられてしまった。
放課後、僕は千冬さんに呼び出されることになる。理由を聞かされていなかったので、あれこれ考えながら向かった先で、僕は思いもよらない話を聞くことになる。
「あぁ、来たか。実はな、先日行われた学年別個人トーナメント優勝者のレベルに関係者が興味を示してな、各学年の優勝者、準優勝者による言わば統一個人トーナメントを提案された。今までなら一年や二年が上級生に勝つなど考えられないことだったが、今年は少し訳が違う。よって学園での協議の結果、一週間後の開催が急きょ決定したのだが……」
そう言いながら僕の方を見る千冬さん。ここまでの話だと僕が呼ばれる理由が全く見当たらない。優勝どころか試合にすら出れなかったのだが。でも、続く言葉はやはり予想もしない言葉だった。
「どうにもはた迷惑でありながら発言の影響力だけはやたらに高い奴がいてな、どうしてもそのトーナメントにお前を組み込んでほしいと打診があった。もっとも、そいつだけではなく複数からその提案はあったし、生徒からも怪我で欠場したお前と楯無の試合を望む声も多かった。よって、特別枠でお前のトーナメント出場が決まった」
「それって……」
あぁ、束さんだよね。僕がそれを口に出す前に、それ以上言わないでくれとでも言いたげな千冬さんの視線を感じてそれから先の言葉を引っ込めた。
「ま、そういう訳だ。もっとも、お前の意思を尊重するし出たくなければ出なくてもいい。そして、お前ばかり特別扱いというのも角が立つから、名目上は教職員特別推薦枠とした。お前以外にもあと一名選出され、合計8名でのトーナメントだ。候補の中ではお前はクラス対抗戦での優勝実績もあるからな、推薦にあたってはさして問題はない。唯一の懸念は怪我だったが……完治したと医者のお墨付きも出たようだしな。まったく、全治一週間を二日で治すとはどんな体をしている」
どうやら、いろいろ考えてくれていたようだ。確かにこれなら僕だけ特別扱いというような形にはならない。一応、公式での優勝の実績も優位に働いたようだ。なら僕はこれを感謝こそすれ断る理由はない。
でも、最後の一言はあなたにだけは言われたくない。千冬さんならその日のうちに治るどころか、あの程度では傷すら負わないんじゃないだろうか。そんなことを考えていたら例によって無言で睨まれた。
「そういうことでしたら、喜んで出場させていただきます」
「そうか、わか
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