第2話 「魔法とロストロギア」
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もしれない。
仕方がないことと思うが、街が破壊されるのを見るのは気分が良いのものではないな。高町は現状の対応で精一杯なのか気にしている素振りは見せていないが。
「グワァァッ!」
謎の存在、ロストロギアと呼ばれるであろう代物は咆哮を上げ、身体の一部を使って高町に攻撃する。
「きゃあぁぁっ!」
悲鳴を上げて怯えた様子の高町だが、デバイスが防御魔法を展開したようで彼女は無傷だった。それどころか、衝突したロストロギアの一部を木っ端微塵にしてしまった。彼女は防御面に優れた資質を持っているのだろう。
「…………」
介入するつもりでいたが、高町の予想以上の奮闘に俺は動けないでいた。叔母との約束を守らなければという思いももちろんだか、魔法に対して何の知識もなかった状態でここまで戦闘できる彼女に驚愕してしまったからだ。
「……!」
高町が姿を隠すと、ロストロギアは少年の方に目標を変えて突撃した。ほぼ同時に桃色の光が同じ場所へと向かう。土煙が晴れると、ロストロギアを受け止めている高町の姿が見えた。
デバイスの協力があるとはいえ、高町が行っているのは間違いなく実戦。魔法、ロストロギアといった未知の存在に戸惑いや恐怖を感じるだろう。何が彼女をあそこまで駆り立てるのか……。
拮抗を崩す指示をデバイスが出したのか、高町は顔を歪ませつつも片手を伸ばした。そこに魔力が収束し、放たれる。
魔力弾に貫かれたロストロギアは3体に別れ、それぞれ逃亡を始めた。すぐさま高町たちは、あとを追い始める。
「高町の速度じゃ追いつけそうにないな……」
正体がバレる危険性はあるが、あれが結界の外に出るほうが不味い。
高町から見えない位置で追跡し、徐々に距離を詰めていく。封印魔法の準備を整え、ロストロギアに向かって発動させようとした俺の視界の端に、桃色の光が入った。意識を向けるのと、桃色の閃光が凄まじい速度で発射されたのは同時に近かった。
「くっ……!」
後方に宙返りし、どうにか砲撃を回避することができた。気づくのが少しでも遅ければ、運悪くロストロギアと共に砲撃の餌食になっていただろう。
高町が放った砲撃は、的確に全てのロストロギアを捉え、封印を完了させた。
一撃で封印する魔法の威力に防御魔法の強度、恐怖に負けない強い心。今は完全に素人だが、近いうちに彼女は俺よりも優れた魔導師になる。魔導師としての才能が違いすぎる。
これはむしろ良いことだ。才能がなければ高町がどうなっていたか分からない。だがこれで彼女は、完全に魔法の世界に足を踏み込んでしまったことになる。彼女の性格を考えれば、これからもきっと危ないことに首を突っ込み続けるだろう。
高町に何かあれば悲しむ人たちがいる……だが俺にも悲しませたくな
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