第2話 「魔法とロストロギア」
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、正直かなり子供っぽく見える。
「子供か」
「そうですよーだ。私はまだ3年しか活動してないし」
「拗ねるなよ……というか、しゃべるなら念話にしてくれ」
誰かに見つかったら俺は、変人というかどこかおかしいんじゃないかと心配されかねない。それを理解してくれたのか、完全に拗ねてしまったのかファラはポケットの中に潜ってしまった。機嫌を損ねてしまっていた場合、どうやって機嫌を直してもらうか考えておかないといけない。
「……っ」
病院の近くまで来ると、再び耳鳴りのような何かが俺を襲った。それとほぼ同時に、街の明かりはついているのに街から人の気配が消えた。
「……結界?」
結界も魔法の一種のため……張った人物は考えるまでもなくあの少年だろう。導き出される答えの中で最も可能性が高いものは……夢に出ていた謎の存在と再び戦闘しているのか。
俺の答えが正しいことを証明するかのように、地面に何かが衝突した音や木々が倒れる音が耳に響いてきた。
「はぁ……最悪の方向にしか展開しないな。……ファラ」
「うん!」
状況を察したファラは先ほどまでとは打って変わって、真剣な表情で俺の手の平の上に出てきた。
「セットアップ」
と呟いた瞬間、ファラから漆黒の光が出始め、光は俺を包んでいく。
ファラは漆黒の球体に姿を変え、それを中心に夜空のような蒼色のパーツが出現し、やや大振りな片手直剣が組みあがっていく。それを手に取った瞬間、俺の身体を黒のロングコートにシャツ、同色のズボンと黒一色のバリアジャケットが包む。
〔うん、夜だとマスターって全然目立たないね〕
〔それは前から分かってることだろ〕
緊張感のないやりとりをしながら、俺は空中へと上がった。病院には戦闘の痕跡があるが、移動したのか誰の姿も確認できない。視線を這わせていると、街の一角から巨大な桃色の閃光が空を貫いた。
「……なんて魔力だ」
自分よりも遥かに多い魔力を感じる。いったい誰が、と思ったが、魔力を持っていそうな人物の心当たりはひとりしかいなかった。
「高町か……」
光の収束と共に、純白のバリアジャケットに身を包まれた高町が現れた。デバイスが自動でバリアジャケットやデバイスの形状の形成を行ったのか、地面に着陸した彼女は自分の身なりを見て驚いているように見える。
どう考えても高町に魔法の知識はないだろう。魔力だけしか持たない少女にいきなり実戦をさせるなんて、あの少年は何を考えているのだろうか……。
「……なんて考えている場合じゃないか」
夢で見たときよりも凶暴化している謎の存在は、高町へと襲い掛かっていた。高町は空を飛びながら攻撃を回避している。魔法の知識は皆無のはずだが……デバイスがかなり優秀なのか
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