第二章
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んだな」
「ええ。だから気にしないで」
「わかった」
そう答えてギターに心を戻した。そうして実際に作ってみた曲をチェックしてみる。
「それ何処で使う曲なの?」
「今度のシングルの別面でな」
俺は答えた。作詞がうちのリードヴォーカルで作曲が俺だ。結構明るい曲だったりする。
「それに使うんだ」
「そうなの。いい曲ね」
「俺が作った曲だからな」
晴れない顔でこう返した。実際には自信はあっても売れるとは思っていなかった。リーダーの印税を見てそう思ったからだ。
「この曲も有名になるさ」
「ええ。期待してるから」
次の日事務所に出掛ける時皮ジャンのポケットに金が入っていた。あいつが夜のうちに入れてくれていたものだった。いつものことだった。
「無理しやがって」
俺はいつもその金に触れてこう呟いた。その気遣いまでが痛々しかった。それは最初の頃だけじゃなかった。三枚目のシングルが出たすぐ後だった。
「えっ、マジかよ」
「いきなりそんな」
「いや、これがマジなんだよ」
居酒屋で七人揃っていた時だった。リーダーが俺達に対して言った。
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