第十四話 『生命』=『生命』
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った。
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階段はかなり奥まで続いていた。下りるだけで三十分くらいは掛かったと思う。そして、最後の一段を下りると、壁際にあった松明に自動的に火が点いた。しかも、青い炎・・・俺と母さんは父さんの墓の下にあった石造りの部屋にいた。
シ「ナ、ナズナ山に、こんな所があったなんて・・・」
母「私も父さんに連れてこられた時は驚いたよ。」
俺は石造りの部屋をぐるりと見回す。青い炎が揺らめき、壁際にある数本の松明が俺の背後に黒い影を作り出す。すると、俺の視界に飛び込んで来たのは部屋の中央に嵌め込まれている赤い縁で飾られたガラスだった。
シ「何だこのガラス?鏡か?」
俺が鏡に歩み寄り、触ろうとすると、
母「触っちゃダメェッ!!」
母さんが叫んだ。俺は驚いて鏡を触ろうとした手を慌てて引っ込めた。母さんがこんなに声を荒げたのを初めて聞いた。驚いて振り返ると、母さんはすごく悲しそうな顔をしていた。
シ「か、母さん・・ここは、いったい何なんだ・・・?」
恐る恐る聞くと、
母「ここは『神鼠の部屋』と言ってね、バンギ家の聖地なの。その鏡は『生命の鏡』と言うの。」
母さんはそう言いながら『生命の鏡』を触る。って!
シ「お、おい母さん!さっき俺がこの鏡に触ろうとしたら母さんが自分で「触るな」って言ったよなぁっ!?なのに何で母さんが触ってるんだよっ!?」
母「私は『子』の血は流れていないから、触っても大丈夫なのよ。」
な、なるほど。てか、何で俺は『生命の鏡』に触っちゃダメなんだ?
母「この鏡に触った『子』の血を持つ者は、自分の命と引き換えに、新しい命を生み出す事が出来るの。」
シ「・・・え・・・・?」
その時、俺の脳裏に思いもよらぬ最悪の出来事が浮かび上がった。ま、まさか・・な・・・
母「まだ、シンがお腹にいた頃の事よ。シンはとても心臓が弱かったの。このままじゃ、生まれる前に私のお腹の中で死んじゃうかもしれなかったのよ・・・」
シ「え・・・」
母「でも、シンは『子』の血を持つバンギ家の十代目だったから、そのまま放っておく訳にはいかなかったの。だから、父さんは、この『生命の鏡』を使って、自分の命と引き換えに、新しい命を生み出したの・・・」
シ「・・・・・」
俺は言葉を失った。
母「それからは、シンの心臓も驚くくらいに順調に良くなって、三年後、シンが生まれたの。」
俺は体全身が震
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