第十四話 『生命』=『生命』
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も言わない。
シ「母さんが、俺に父さんの事を一切話さなかったのには、何か訳があるんだよな?・・そろそろ、教えてくれよ。俺の父さんは、シグレ・バンギは、いったい何者なんだよっ!?」
十八年間、一度も母さんに口喧嘩で勝った事が無かったけど、今の俺なら勝てる気がした。すると、母さんは小さく微笑みながらゆっくり目を閉じると、
母「『真実』を話す『時』が、来たみたいだね・・・」
小さく呟いた。母さんはその場にスクッと立ち上がって、エプロンを脱いだ。
母「この時間なら、誰も山にはいないね。シン、ブレスレットは着けている?」
シ「えっ?あ、あぁ。」
俺はいつも肌身離さず左手首に身に着けている緑と赤茶色の石のブレスレットを母さんに見せる。母さんはブレスレットを見ると満足そうに微笑み、
母「シン、これから墓参りに行くよ。」
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空が薄暗くなった頃、俺と母さんはナズナ山へ父さんの墓参りに出かけた。幼かった頃の俺は休憩が必要だったけど、十八歳になった俺にはもう必要ない。逆に、母さんが必要になるんじゃないかと思ったけど、五十一歳になった母さんは今でも元気に山をどんどん登って行く。
母「お父さんは『十二支』の『子』の血を持つ九代目だよ。」
母さんは山の登りながら父さんについて話してくれた。
母「以前も話したとおり、父さんはどんなに歳をとっても三十代前半に見えるんだよ。でも、もっと若かった頃はシンにそっくりだったよ。」
マスターから貰った写真に写っている父さんも、確かに自分にそっくりだ。
シ「写真に写ってた父さんは何歳くらいなんだ?」
母「う〜ん・・・四十歳ぐらいだと思うよ。」
四十歳ッ!?全然見えねぇっ!!
母「『子』の血を持つ者は、二十歳ぐらいになると、五十歳ぐらいまで顔の変化があまり変わらなくなるの。だから、いつかシンも三十年くらい若い顔で過ごせるのよ。」
顔が若くても、歳はとってくから、変わらねぇと思うけど・・・
母「でも、『子』の血を持つ十代目だけは、ちょっと違うの。」
シ「えっ?」
「『子』の血を持つ十代目」って・・・俺の事、だよな?
母「『子』の血を持つ十代目は、通常の人間より『時』が進む早さが遅いのよ。」
シ「えっ?」
母「よく考えてみて。妖精の尻尾のギルドマスター、マカロフさんと
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